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ドイツ、極右過激化へ懸念深まる 政治家殺害や脅迫行為

独で戦後初とされる極右による政治家殺害事件の犠牲になったワルター・リュプケ氏の葬儀=6月、中部ヘッセン州カッセル(AP)
独で戦後初とされる極右による政治家殺害事件の犠牲になったワルター・リュプケ氏の葬儀=6月、中部ヘッセン州カッセル(AP)

 【ベルリン=宮下日出男】ドイツの極右勢力が難民や移民の大量流入への抗議をエスカレートさせている。難民支援を訴えた政治家が殺害されたほか、政界や言論界を標的にした脅迫行為が横行している。排他主義的な動機による銃乱射事件が米国で相次いだこともあり、ドイツでも憎悪犯罪が誘発されることに、警戒感が広がっている。

 ドイツではメルケル首相が2015年から、難民や移民に寛容な受け入れ策を進めているが、一方で反移民感情も高まっていた。

 今年6月には、メルケル氏の政策を支持した中部ヘッセン州の政治家、ワルター・リュプケ氏(65)が、自宅で極右活動家に射殺される事件が起きた。

 戦後ドイツで、政治家が極右に殺害されたのは初めてとされ、衝撃が走った。

 当局は、かつて極右活動に参加していた地元の男(45)を逮捕。政治的動機による犯行として、捜査中だ。男は欧州で相次いだイスラム過激派テロも背景に、憎悪の矛先をリュプケ氏に向けたようだ。

 「民主主義を破壊しようとする風潮に立ちはだかるのはわれわれの義務だ」

 メルケル首相は7月中旬、第2次世界大戦末期のナチス・ドイツで起きたヒトラー暗殺未遂事件の75周年式典でこう述べた。さらにリュプケ氏の殺害事件にも触れ、極右勢力の過激化に強い警鐘を鳴らした。

 ドイツ内務省が6月に公表した報告書では、国内の「極右過激派」は近年増加傾向にあり、総数は2万4100人に上るとしている。このうち暴力的な行為を志向する者が、半分以上を占めるという。

 捜査当局はイスラム過激派への対応に追われ、極右勢力の抗議活動を甘く見ていたとの批判も強い。

 さらに、リュプケ氏の殺害事件に対する一部の「反応」も懸念材料だ。

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