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【激動ヨーロッパ】メルケル独首相、後継禅譲へ「危険な賭け」

 この結果、独メディアの政治家人気ランキングでクランプカレンバウアー氏は党首就任当時の2位(支持率58%)から、6月には12位(同33%)に転落。首相に「ふさわしくない」との回答が71%に上る世論調査の結果も報じられた。

 「このままでは首相への野心にサヨナラすることになると気づいた」。CDU幹部はメルケル氏とクランプカレンバウアー氏の判断についてこう語る。重職の国防相として政府の経験を積みながら、新たなスポットを浴びることで支持回復を図る-との狙いだ。

■国防省は「地雷原」

 だが、この人事には「冒険」(独紙フランクフルター・アルゲマイネ)との見方がもっぱら。国防省は連邦軍も含め、かねて不祥事が多く、歴代国防相が政治家としての将来を傷つけられた事例が少なくない。首相に上り詰めた国防相経験者は戦後1人だけだ。

 フォンデアライエン氏も在任中、連邦軍将校による要人暗殺計画のほか、多くの軍装備品に欠陥が見つかるなどの問題が相次ぎ、最近は国防省にも不自然なコンサルタント契約をめぐる疑惑が浮上。かつてはメルケル氏後継の候補といわれたが、その芽をつまれた。

 「一歩でも間違えれば、首相候補の立場が消える地雷原」。独誌シュピーゲルは国防相の役職の難しさをこう表現した。

 防衛政策は社民党との対立が大きな分野でもある。秋には中東で過激派掃討に参加する独軍部隊の派遣延長手続きが必要となるが、社民党では反対論が強まっており、連立継続のため、どう理解をとりつけるか最初の正念場となる。

 党首としても修羅場が続く。9月1日には東部2州の議会選挙が行われるが、世論調査では移民・難民危機で台頭した右派ポピュリズム(大衆迎合主義)政党「ドイツのための選択肢」(AfD)にCDUが敗北する可能性もあり、その場合、今後の首相候補を決める党内議論で保守派のライバルらに追い落とされる懸念も否定しきれない。

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