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【主張】露の新兵器爆発 危うい核軍拡を即やめよ

 ロシアが危うい核兵器開発を進める中での重大事故である。プーチン露政権は速やかに情報を開示し、国内外の不安と疑念を払拭すべきだ。

 露北西部アルハンゲリスク州の海軍実験場で爆発があり、国営原子力企業「ロスアトム」の従業員5人を含む7人が死亡した。ロスアトム関係者の話や米国の分析から、原子力推進の巡航ミサイル「ブレベスニク」の試験が行われていたとの見方が強い。

 プーチン大統領は昨年3月の年次教書演説で、ブレベスニクなどの新型兵器開発を誇示していた。原子力を利用するブレベスニクの射程は「事実上無制限」で、米ミサイル防衛(MD)網では捕捉できない複雑な飛行経路をとるとされる。ロシアは他に、原子力推進の大型核魚雷「ポセイドン」の開発も進めている。

 地球の裏側までも回って米MD網を突破し、仮想敵国を核弾頭で攻撃する。その能力を持つことがロシアの狙いだ。通常戦力で米国に太刀打ちできないロシアは、核兵器で一点突破的に米国と張り合おうとしている。

 米露の中距離核戦力(INF)全廃条約が今月失効し、新戦略兵器削減条約(新START)も2021年2月に期限切れとなる。ロシアはこうした中で、従来の核軍備管理の枠組みから外れる新型兵器の開発を急いでいる。核軍縮をいっそう困難にする動きだ。

 ロシアが歴史的に、国のメンツや軍事機密のために人命を軽視してきたことも懸念を呼ぶ。

 1986年に起きたチェルノブイリ原発事故ではソ連が事実を隠蔽(いんぺい)し、被害の拡大を招いた。放射能レベルの異常を検知したスウェーデンや西側諸国に強く説明を求められ、ソ連はようやく爆発事故を認めたのである。

 今回の爆発事故でも閉鎖的な体質が露呈した。政権は事故についてほとんど説明せず、近隣地域での放射線量については地元当局と中央の発表が食い違った。住民は甲状腺被曝(ひばく)を防ぐヨウ素剤を買い求め、パニック状態となった。

 原子力兵器の無謀な試験は、日本など周辺諸国にも危害を及ぼしかねない。ロシアには厳しく情報開示を求めて当然だ。プーチン政権は、身の丈を超えた軍事偏重が不調の経済をさらに圧迫し、自らの首を絞めることにも思いを致すべきである。

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