PR

ニュース 国際

【主張】WTOの「途上国」 中韓などの優遇を見直せ

 時代にそぐわない世界貿易機関(WTO)ルールの典型といえよう。経済力のある中国や韓国などを「発展途上国」として扱い、貿易条件で優遇していることである。

 これにトランプ米大統領がかみついた。7月下旬にツイッターで強く非難し、WTOの制度改革を加速させるよう米通商代表部(USTR)に命じた。90日以内に進展がなければ、米国は一方的に優遇をやめるという。

 もちろん、有無を言わせず恫喝(どうかつ)的に動くなら問題である。その点を割り引けば、米国の問題意識はいたって正しい。むしろ日本は米国や欧州と連携し、WTOの制度改革を積極的に促すべきだ。

 WTOには途上国の「特別かつ異なる待遇」があり、先進国市場での関税適用や、農業分野の国内補助金などに多くの優遇措置を認めている。先進国と同じ貿易自由化を求めるのは難しいからだ。

 問題は、自主申告すれば、どんな国でも途上国待遇を受けられることである。かねて指摘されてきた制度上の不備だといえよう。

 米国は中韓やメキシコ、シンガポールを名指しして批判する。例えば韓国とメキシコは先進国クラブとされる経済協力開発機構(OECD)の加盟国だ。シンガポールは1人当たりの国内総生産(GDP)が日本より大きい。

 米国が最も問題視するのは中国だろう。1人当たりGDPは大きくないが、世界2位の経済大国である。世界経済への影響力は増大し、経済覇権を追求する意欲も隠さない。その国を他の途上国と同列に扱うのは無理があろう。

 WTOに限らず、大国の義務を逃れるため「途上国」を持ち出すのは中国の常套(じょうとう)手段だ。温暖化対策交渉もそうだったし、世界銀行では主要出資国なのに自らへの融資を受け続けている。巨大経済圏構想「一帯一路」で多くの国を資金援助しているのに、である。

 一方で、ブラジルのようにOECD入りの支持を得ようとWTOの途上国待遇を返上しようとする国もある。この際、WTOは先進国と途上国を線引きする明確な基準を設けるべきだ。世界経済の構造変化を踏まえた対応である。

 河野太郎外相も5月の国際会議でWTOの途上国待遇を見直す重要性を訴えている。そうであるなら制度改革を急ぐべきだ。米国を独断に陥らせないためにも、日本が論議を主導していきたい。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ