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【主張】米乱射相次ぐ 憎悪の連鎖絶つ銃規制を

 何度同じ惨劇を繰り返せばいいのか。米南部テキサス州と中西部オハイオ州で銃乱射事件が相次いで起き、合わせて31人が死亡した。残酷な犯行に憤りがこみあげる。

 調査機関によれば、銃乱射は今年250件を超え、米国のどこかで1日1件以上の頻度で起きている。銃社会が陥った非常事態といわざるを得ない。

 テキサス州エルパソのショッピングセンターでは白人の男が買い物客ら22人を殺害した。容疑者がネットに投稿したとみられる犯行声明は、「ヒスパニック(中南米系)による侵略」を動機に挙げた。捜査当局の指摘通り、白人至上主義という過激思想を背景にした「国内テロ」といえる。

 声明には、3月にニュージーランドのモスクを襲撃し51人を殺害した被告を「支持する」とも書き込まれていた。男は人口の8割を中南米系が占めるメキシコ国境沿いの街で凶行をアピールし、憎悪の拡散を狙ったのだろう。

 言うまでもなく移民は、自由の価値を認め合って成長してきた米国の原動力だ。一方で銃の保有・携帯は個人や家族、国家を守るため憲法で認められた基本的権利である。その銃が移民社会を引き裂き、国の価値や威信に泥を塗る。建国の父らが泣いていないか。

 連邦捜査局(FBI)によると、特定人種などを標的にした憎悪犯罪は、2017年に前年比17%増の7175件だった。トランプ大統領は今回の乱射を受けて事件現場を訪れた。だが、過去に移民を中傷した自らの発言に対しては、野党から「憎悪をあおっている」という批判を受けている。

 新たな移民に雇用や教育の機会を奪われて、生活や文化まで侵されたという不安や恐怖を覚える人が増えている。そうだとしても政治家には冷静になってほしい。必要なのは憎悪と乱射の連鎖を断ち切る政策だ。それは厳格かつ広範囲な銃規制に他ならない。

 フロリダ州で17人が犠牲になった昨年2月の高校銃撃事件後、規制強化機運は一時的に高まった。それでも連邦政府レベルでは、半自動小銃に取り付け連射を可能にする装置が禁止されただけだ。

 全米規模での身元確認の徹底や殺傷力の高い銃の禁止は待ったなしである。来年の大統領選に向けた論争に委ねる猶予はない。大統領も議会も直ちに銃規制強化へと国をまとめあげるときである。

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