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【主張】中国の「為替操作」 市場の混乱に警戒強めよ

 米中貿易摩擦が激化の一途をたどり、通貨政策でぶつかり合う新たな段階へと突入した。人民元を安値に誘導しているとして、トランプ米政権が中国を「為替操作国」に認定したためである。

 節目とされた1ドル=7元台まで人民元安が進んだことを受けた25年ぶりの措置だ。米国は制裁を視野に入れて是正を迫る。対中圧力を強めるためのカードだ。

 人民元安は中国の輸出企業の採算性を改善する。それにより対中制裁効果が薄まることを封じる狙いがあるのだろう。中国が恣意(しい)的に相場を動かしているならば、これを否定する国際合意に反し、見過ごすわけにはいかない。

 注意すべきは、トランプ大統領が制裁関税「第4弾」の発動を表明して以降、制裁と報復の連鎖が止まらないことだ。中国も米農産品の購入を停止した。対立激化を受けて株安や円高が急速に進むなど、金融市場が大荒れの様相を呈していることを懸念する。

 今回の措置が混迷をさらに深めることにならないか。米中摩擦が世界に悪影響を及ぼす恐れは格段に高まっている。日本は警戒を緩めず、必要に応じて適切に対応策を講じるべきである。

 中国が不公正貿易や産業補助金などを改めない限り、米国は対中強硬策を緩めまい。今回の措置は決意の強さの表れともいえる。

 約11年ぶりの7元台をつけたのは、中国人民銀行が人民元取引の基準値を6.9元台に設定したのがきっかけだ。市場では中国当局の元安容認という見方が広がり元が急落した。米国にすれば、安値誘導を疑う動きだろう。

 ムニューシン米財務長官は「中国は最近、人民元を切り下げる具体的な手段を取った」と断じ、貿易で不公正な競争力を得るためだと指摘した。かねてトランプ大統領は中国が為替誘導をしていると批判してきた。だが、為替介入額などの基準を満たさず、「監視対象」にとどめた経緯がある。今回、操作国にした根拠について、より明確に説明すべきである。

 そもそも通商交渉に為替をからめる手法は危うさをはらむ。為替に影響を与える金融政策なども縛りかねないためで、日本は対米貿易交渉で為替が持ち出されないよう警戒してきた。米国は日本を監視対象国としている。為替を対日交渉のカードとする可能性も想定しておかなければならない。

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