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【国際情勢分析】タバコの大量密輸、蔡英文政権に思わぬ醜聞 総統選にも影響か

 タバコの大量購入が総統の外遊のたびに行われていたことも判明した。中華航空は2014年から10回の外遊で3万5000カートンの購入記録があると発表。8月2日には、税関を通さない荷渡しは、中国国民党の馬英九前政権下の2016年3月から始まったと公表した。だが、大量購入は民主進歩党の陳水扁政権(2000~08年)下で始まったとの報道もあり、額面通り受け取る向きは少ない。

 新たに国家安全局の局長に就任した邱国正(きゅう・こくせい)氏は2日、徹底した調査と厳格な処分を約束したが、過去に密輸されたタバコの処分先など、全容解明の見通しは立っていない。

政権に打撃も

 交通部(国土交通省に相当)は、違法行為に協力した中華航空の行為も問題視し、行政調査に乗り出した。その過程で、中華航空と政界との近さにも注目が集まっている。

 中華航空の株式の約50%は中央当局の各部門などが保有し、中華航空本体や子会社には与党、民主進歩党の関係者が多数、“天下り”している。タバコを保管していた機内食会社の董事長(会長)はかつての陳政権の総統府秘書長(官房長官)、中華航空の副総経理(副社長)は民進党有力者の元秘書といった具合だ。蘋果日報は関連会社も含めた幹部7人が元立法委員(国会議員)など民進党の関係者だと指摘している。

 政権交代によって当局系の企業で大規模な幹部人事が起きるのはよく知られており、国民党政権下でも同様の傾向があったとみられる。だが、国民党は今回の密輸事件を「蔡総統の統治能力の問題」(総統候補の韓国瑜・高雄市長)と位置付けた上、「典型的な汚職で、役人同士がかばい合っている」(呉敦義主席)と批判を強めている。

 国民党は政権重鎮の陳菊総統府秘書長(官房長官)の政治責任を追及する構えで、かじ取りを間違えば蔡政権は大きな打撃を受ける可能性がある。(台北支局 田中靖人)

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