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政府がVRで「拉致」を再現 横田めぐみさんのケースを想定し「苦しみ痛みの疑似体験は意味ある」

横田めぐみさんが拉致されたとされる現場近くの海岸でシーファー・米駐日大使に当時の様子を話す横田滋さん、早紀江さん夫妻=平成18年、新潟市内
横田めぐみさんが拉致されたとされる現場近くの海岸でシーファー・米駐日大使に当時の様子を話す横田滋さん、早紀江さん夫妻=平成18年、新潟市内

 若い世代で北朝鮮による拉致事件の風化が懸念される中、政府の拉致問題対策本部が横田めぐみさん(54)=拉致当時(13)=の事件を再現し、追体験する仮想現実(VR)の映像を制作したことが2日、分かった。7、8両日に東京・霞が関で行われる夏休みイベント「こども霞が関見学デー」で公開される。

 めぐみさんは中学1年だった昭和52年11月15日夕、新潟市で学校から帰宅途中に拉致された。事件は不明点も多いが、複数の工作員が工作船で連れ去ったとする元工作員の証言がある。

 撮影にはめぐみさんをテーマにした舞台「めぐみへの誓い-奪還」を手がける劇団「夜想会」(野伏翔氏主宰)が協力。7月末、拉致現場とされる自宅周辺や近くの海岸、めぐみさんが通った中学校などを訪れ、俳優らと当時を再現した。

 映像は約4分間で、VR用のゴーグルをつけて視聴できる。はじめは第三者の視点で、めぐみさん役と友人役の俳優ら3人が下校する様子から始まる。めぐみさんが友人と別れた後は、めぐみさん役の視点になり、工作員役に腹を殴られたり頭から袋をかぶせられたりする。視界がなくなった直後、めぐみさんが工作船の船底に閉じ込められた状況を再現した薄暗い空間が、眼前に広がる。

 VRで拉致を再現することには、「過激だ」などとして一部で慎重論もあったが、脚本、監督を務めた野伏氏は「拉致問題が進展しない中、未来を担う世代に拉致の苦しみや痛みを疑似体験してもらうことは意味がある」と説明。「若者の関心を引くツールであるVRを活用し、啓発に貢献できれば」と強調した。

 拉致をめぐっては、内閣府の外交に関する世論調査(平成29年公表)で、北朝鮮への関心事項として「日本人拉致」を挙げた人のうち、年代別で18~29歳が64・9%と最低になるなど、若年層への浸透が課題になっている。

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