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露防空システム「配備まで9カ月」 トルコ、米制裁回避へ交渉期間確保か

 【カイロ=佐藤貴生】トルコのエルドアン大統領は同国への機器搬入が始まったロシア製防空システム「S400」について、「配備は来年4月までに完了する」との見通しを示した。トルコと同じ北大西洋条約機構(NATO)の加盟国である米国や欧州諸国は、S400導入で防衛上の機密がロシア側に流出するとして再三、懸念を表明してきた。エルドアン氏は、実戦配備を急がない姿勢を示して米欧との関係悪化を避け、自らの主張を通す交渉期間を設ける狙いだともみられている。

 トルコのクーデター未遂事件から3年となる15日、エルドアン氏は演説でS400にふれ、「最強の防空システムだ」と述べる一方、配備完了は来年4月になるとした。S400の関連機器は12日にロシアから搬入され始め、これまでに航空機8機が輸送してきたという。

 16日のイスラエル英字紙エルサレム・ポスト(電子版)は、エルドアン氏がS400の配備まで約9カ月間の猶予があるとした点に着目。米国の対トルコ制裁を回避し、最新鋭ステルス戦闘機F35の共同開発に参画し続けるために、交渉の「テコ」にする狙いだと分析した。

 同紙はその半面、トルコはS400の搬入を始めることで、原発建設や天然ガス供給などで支援を受けるロシアとの関係も維持する腹づもりだと指摘した。

 ただ、トルコがS400を実戦配備してロシア寄りの姿勢を鮮明にした場合、第二次大戦後の国際安全保障体制の基盤を揺るがす事態に発展しかねず、欧米諸国が黙認するとは考えにくい。米露をてんびんにかけて時間を稼ぐエルドアン氏の戦術が、どこまで通用するかは見通せない。

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