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EU初の女性委員長候補、議会承認への支持集めに苦戦

 【ベルリン=宮下日出男】欧州連合(EU)の行政トップ、欧州委員長に初の女性として指名されたドイツのフォンデアライエン国防相が、欧州議会での承認に必要な支持集めに苦戦している。欧州議会では、委員長指名の過程で議会側の意向が無視されたとの反発が強いためだ。承認の採決は16日に行われるが、結果はなお読み切れない。

 「円滑なスタートでないことは承知している」。10日、ブリュッセルで記者団の前でそう語ったフォンデアライエン氏の表情にゆとりはなかった。

 フォンデアライエン氏は2日、EU首脳会議での3日間に及んだ曲折の末、欧州委員長に指名された。委員長の人選は、首脳会議が欧州議会選の結果を考慮して提案する仕組みだ。

 5月下旬の欧州議会選では各会派が委員長候補者を明示していたが、首脳会議の結果、主要会派の推す候補者がいずれも外れた。このため議会側では、「密室でEUの将来が決められてはならない」(欧州議会議員)と不満が噴出した。

 欧州議会(定数751)での委員長承認には過半数の賛成が必要だ。フォンデアライエン氏は指名後、支持取り付けのために主な会派と協議し、自身が属する中道右派の最大会派(182議席)から支持を確保。リベラル派の第3会派(108議席)も賛成するとみられるが、過半数には足りない。

 「緑の党」系の第4会派はフォンデアライエン氏が示した環境対策が不十分として反対を表明。鍵を握る中道左派の第2会派(153議席)は賛否が割れている。特にドイツ選出議員は約50年ぶりの自国出身の欧州委員長誕生がかかるにもかかわらず、個人的資質を問題視する文書を配布するなど就任阻止へ強硬だ。

 欧州議会の承認を得られなければ、EU首脳会議は新たな人選を迫られ、承認されても僅差ならフォンデアライエン氏の指導力に影を落としそうだ。

 EU統合に批判的な「EU懐疑派」の一部は同氏に前向きな姿勢も見せている。統合を推進する「親EU」の4大会派で過半数を得られなければ、懐疑派の支持に頼らざるを得ないことも予想される。

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