PR

ニュース 国際

中露にマレーシア、シンガポール… 制裁下のイラン外貨獲得ネットワーク

テヘランの街角で米ドルを数える人=7日(WANA・ロイター)
テヘランの街角で米ドルを数える人=7日(WANA・ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】イランは7日、核合意の履行義務放棄の「第2段階」に踏み切り、英仏独3カ国に迅速な経済取引の再開を求めた。トランプ米政権による原油の全面禁輸を含む制裁で国内経済の困窮が深刻化する中、イランはどのような手段で外貨を獲得しているのだろうか。

 イランのザリフ外相は6月下旬、「中露やトルコ、インドのほか数カ国」と通貨協定締結に向け協議していると述べた。米制裁を回避するため、米ドル以外の通貨で決済する狙いとみられる。

 中国はイランと原油をヤミ取引しているとの報道もある。ロイター通信によると、アラブ首長国連邦(UAE)沖から燃料油約13万トンを運んでいたイラン側タンカーが5月、数カ月ぶりに中国浙江省に到着した。

 海上で別の船と積み荷をやり取りする「瀬取り」や文書偽造などの隠蔽を行っていたという。制裁下での売買のため価格が下がり、「見逃すには惜しいと考えた中国の人が買ったのでは」との見方がある。

 またロイターによると、2月にはUAE沖で燃料油をタンカーから荷受けした船舶のうち1隻が、約1カ月かけてシンガポールに入港。タンカーが積んでいた燃料油は28万トン以上で、1億2000万ドル(約130億円)に相当する。

 このタンカーはシリアに原油を輸送中の4日、欧州連合(EU)の制裁対象に当たるとして英領ジブラルタル沖で拿捕され、イランが解放を求めて英国に抗議したものと同じだという。米制裁で他国の船によるエネルギー輸送が難しくなり、イランのタンカーの追跡が容易になっている可能性がある。

 また、イスラエル紙ハーレツ(電子版)は4月、西側情報筋の話として、イランとマレーシアが親密な関係にあると報じた。

 マレーシアは2004年ごろからイランの核開発を支援していたとされ、昨年には両国の国営石油企業がイラン国内でガス田を共同探査する覚書を交わすなど、良好な経済関係を維持。イラン人がビザ(査証)なしで入国できる数少ない国で、イランからの留学生も多いという。

 いずれもイランの経済にどれほどの恩恵をもたらしているかは不明だが、イランの経済的なネットワークがアジアにも存在することを示唆しているようだ。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ