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トランプ米政権、南シナ海での中国のミサイル実験を憂慮 「航行の自由」作戦強化

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権は、南シナ海で中国が最近、対艦弾道ミサイルとみられるミサイル発射実験を行ったことに対して警戒を強めている。米軍関係者はミサイル発射について、南シナ海の軍事拠点化を進める中国が、西太平洋からの米海軍の排除を図る「接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略」を本格化させている兆候とみており、米政権は南シナ海での「航行の自由」作戦をさらに活発化させるなどして中国の覇権的行動を牽制していく考えだ。

 米国防総省のイーストバーン報道官は2日、「中国が南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島付近の人工構造物からミサイルを発射したことを承知している」と確認した。

 報道官はその上で、ミサイル発射は中国の習近平国家主席が2015年9月に訪米した際、ホワイトハウスでの米中首脳会談後の声明で南シナ海に造成した人工島を軍事拠点化しないとする声明を発表したにもかかわらず、今回の行動は声明と真っ向から矛盾するとして「真に憂慮すべき事態だ」と懸念を表明した。

 さらに、「中国の行動は、地域に平和をもたらしたいとする主張に反し、南シナ海の領有権を主張する他の関係国に対する威嚇を狙った強圧的行動だ」と非難した。

 米海軍は今年に入り、南シナ海にある中国の人工島の12カイリ(約22キロ)内に艦船を派遣する航行の自由作戦を頻繁に実施。また、台湾海峡でも1カ月に1回の割合で艦船を通過させ、中国に対抗する姿勢を鮮明にしてきた。

 中国による今回のミサイル発射は米海軍による一連の動きに警告を発する狙いがあった可能性がある。

 一方、先月29日に大阪市で行われた米中首脳会談で「貿易戦争」の一時休戦が決まったのを受け、米政権が軍事・安全保障分野で軟化する余地があるのか、中国がミサイル発射を通じて瀬踏みを図ったとの見方もある。

 米国防総省としては、ミサイル発射を批判する声明を直ちに出すことで、米政権が南シナ海で中国に妥協する意思はないことを明確に打ち出す狙いがあったのは確実だ。

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