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露、イラン擁護鮮明に 対米牽制で影響力強化狙う

ロシアのプーチン大統領(AP)
ロシアのプーチン大統領(AP)

 【モスクワ=小野田雄一】イランが核合意の履行義務を段階的に停止していることなどについて、ロシアはイラン擁護の立場を鮮明にしている。背景には、同国との経済的・軍事的な結びつきの強さに加え、米国に対抗し、国際影響力を強める思惑がある。

 露外務省のザハロワ報道官は4日の記者会見で、イランの低濃縮ウラン貯蔵量が核合意の規定を上回ったことは「遺憾だが、それに先立つ一連の出来事の結果として理解されるべきだ」と指摘。米国による核合意離脱と制裁再開や、合意維持に向けた英仏独の努力不足が現在の状況を招いたとの見方を改めて示した。

 またロシアは、6月にイランが米無人偵察機を撃墜した事件で、パトルシェフ安全保障会議書記が「偵察機はイラン領空を飛行していた」とイラン側に正当性があると主張。事件後に米国が制裁を強化したのは「違法だ」(ペスコフ大統領報道官)と断じた。

 ホルムズ海峡近くで日本などのタンカーが攻撃を受けた事件でも、パトルシェフ氏は「(米国が主張する)イラン犯行説を示す証拠はない」とした。ラブロフ外相も「イランへの軍事行動は国際的危機を招く」と米国を牽制している。

 ロシアとイランは、シリア内戦でアサド政権側に立ち共闘してきた。イランはロシアから防空ミサイル「S300」などの兵器も購入している。

 両国の2018年の貿易額は前年比2%増の17億ドル(1830億円)超にとどまるものの、イラン南部ブシェール原発の建設・運営に露国営企業が協力。18年には露主導の「ユーラシア経済連合」とイランの間で自由貿易協定(FTA)を締結することでも合意した。イランが米国の制裁を回避する手段を確保して経済的な“果実”を得られれば、ロシアにとっても利益となる。

 ロシアは近年、シリアやベネズエラ、北朝鮮など米国と対立する国々の後ろ盾となることで、国際的な影響力を強める方策を取っている。イラン擁護はこうした戦略の一環でもあるとみられる。

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