PR

ニュース 国際

【加藤達也の虎穴に入らずんば】正恩氏悩ます中露の軍事演習

 この特徴は中国軍が初参加し、3千人もの将兵と多数の重火器、航空機をロシアに越境派遣したことだった。ロシアは「いかなる国も想定していない」としているが、安倍晋三首相が東方経済フォーラム参加のためウラジオストクを訪問する中での演習には、日本への軍事恫喝(どうかつ)ではないかとの分析も出た。

 だが在京のロシア専門家は「北朝鮮有事にロシアが介入することを念頭に置いたものだ」と分析。「北朝鮮北東部で作戦行動する中露が軍事衝突を回避するため指揮、統制、通信を調整するねらいもあるとみられる」と指摘するのだ。

 さらに、日本当局が情報交換する各国のロシア駐在武官は「北朝鮮有事で中国が北に侵攻する場合、ロシアが日本海側の羅先(ラソン)の海軍基地や大量破壊兵器の捜索押収で中国を支援することは既定方針であり、常識である」と断言する。

× × ×

 北朝鮮での中露の合同作戦演習を含む「ボストーク2018」の意味を、正恩氏は正確に理解しているだろうか。北朝鮮をめぐっては中国も昨春、中朝国境を含む地域で対北空爆を想定したと目される初の大規模軍事演習「ゴールデンダーツ」を実施している。

 日米などは、北朝鮮有事で中露は北の敵対勢力となり得ると認識している。それにもかかわらず北朝鮮は4月、ロシアを頼り、ウラジオストクで首脳会談を開き、正恩氏は冷遇された。

 北朝鮮の対外方針の“迷走”について当時、米政府関係者が筆者に明かした説は正恩氏の対外政策アドバイザーである金英哲氏ら古い流派の間違った判断だというものだった。

 北朝鮮はハノイ会談決裂後の一時期、主導した金英哲氏らを対外交渉の一線から遠ざけたが、その後の内部状況は不明だという。

 正恩氏がツイートの誘いに乗ったのは、中露という“背後の脅威”から逃れ米国に庇護(ひご)を求めようとする動きなのか。米国は慎重に見極めようとしている。

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ