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日露首脳会談、北方領土問題進展なし プーチン政権、領土問題棚上げ 

【G20】安倍晋三首相(左)との首脳会談で北方領土問題の棚上げを鮮明にしたプーチン露大統領(右)=29日、大阪市(ロイター)
【G20】安倍晋三首相(左)との首脳会談で北方領土問題の棚上げを鮮明にしたプーチン露大統領(右)=29日、大阪市(ロイター)

 29日の日露首脳会談で、北方領土問題に関する大きな進展はなかった。日本側では昨年11月以降、領土交渉への期待が高まったが、ロシアのプーチン政権は領土問題を棚上げにする思惑を鮮明にしてきた。ロシアの国内情勢と国際情勢の両面から、プーチン政権が態度を軟化させることは考えにくい。

 ロシアは平和条約交渉を進展させる条件として、「北方領土が第二次大戦の結果としてロシア領になったと認めよ」「日米安全保障条約に関するロシアの懸念を払拭せよ」という2点を突きつけている。前者に応じれば交渉は土台から崩れる。後者については、日米関係に揺さぶりをかける意図が明らかだ。

 政治、経済、文化など全ての分野で日露関係が発展すれば、領土問題は後面に退き、解決が容易になる-。ロシアはこんな論理を主張し、日本にビザ(査証)の緩和や積極的な投資を求めている。

 プーチン露大統領は2014年、ウクライナ南部クリミア半島を一方的に併合し、低下傾向にあったプーチン氏の支持率は9割近くに急上昇した。クリミアのロシア系住民を「保護」し、米欧と対決して領土を拡張したことが、国民の「愛国心」に火をつけた。

 その後はしかし、強権体制の硬直化に米欧の対露制裁が重なり、経済低迷が続く。国民の実質所得は5年連続で減少し、中央集権体制への不満に起因するデモも地方で散発している。プーチン氏の支持率は60%台まで下がり、実質的には3~4割だとの見方も強い。

 政権基盤が弱体化している中、対外強硬路線や領土拡大で支持率を高めたプーチン氏が、日本に「弱腰」を見せるのは難しい。

 米中関係が「新冷戦」と呼ばれるほどに悪化していることも逆風となった。ロシアは日本を「米国の同盟国」とみなす傾向を強め、安全保障と経済の両面で中国との結束をいっそう重視している。ロシアは、過度の中国依存を避けるために日本との友好関係が必要だとは考えているが、現時点での日本の重要度はそれ以上でない。(遠藤良介)

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