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トランプ氏の「同盟疑義」発言、同盟諸国に不安と懸念

G20大阪サミット 専用機で到着したトランプ米大統領=27日午後、伊丹空港(大阪国際空港)(彦野公太朗撮影)
G20大阪サミット 専用機で到着したトランプ米大統領=27日午後、伊丹空港(大阪国際空港)(彦野公太朗撮影)

 トランプ米大統領が日米安全保障条約など、自由主義陣営諸国との同盟関係のあり方に疑義を呈した発言が波紋を広げている。

 特に、トランプ氏がFOXビジネスの番組で、日米安保条約第5条に明記された「米国による日本の防衛義務」を「米国を散々に食い物にする行為だ」と断じたのは見過ごせない。

 番組で、トランプ氏は北大西洋条約機構(NATO)加盟国の国防費支出目標に関し、ドイツが目標の「国内総生産(GDP)の2%以上」を下回る一方、NATOの「潜在敵国」であるロシアから巨額の資源を購入していると指摘し、「そんな怠慢なドイツを米国は守るのか」と訴えた。

 トランプ氏の一連の発言で、長年の信頼の上に築かれた日本や欧州との同盟関係の基盤が簡単に揺らぐことはないだろう。

 実際、24日に就任したばかりのエスパー国防長官代行は、26日からのNATO国防相会議で「同盟強化」を強く訴えた。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)も27日、ツイッターで日米同盟は地球規模の課題への対処に「極めて重要だ」と強調した。

 しかし、自由主義諸国を主導する立場にある肝心の大統領による度重なる「軽率」な発言が同盟諸国に不安と懸念を与えているのは否定のしようがない。

 中国やロシア、北朝鮮、イランなど、米国の「敵性国家」の大戦略の一つは、米国と日本など同盟諸国の間にくさびを打ち込み、亀裂を生じさせることだ。

 その意味でトランプ氏の発言に過敏に反応し動揺すれば、逆に中露などの術中にはまる恐れがある。

 トランプ氏は世界の安全や安定に向けた米国の関与を疑わせる発言を軽々にすると、どのような事態を招くのかを強く自覚する必要がある。

 例えば、トランプ氏は24日のツイートで、海上原油輸送の91%がホルムズ海峡を通過する中国は「自国の船を自分で守るべきだ」と主張した。しかし、これこそは中東から中国に至る自前のシーレーン防衛の拠点を確保する、いわゆる「真珠の首飾り」構想を2000年代から進めている中国の思うつぼに他ならない。

 トランプ氏の「不規則発言」に対しては、一部左派メディアによる揚げ足を取るような報道ではなく、保守勢力こそが「日米重視」の立場から建設的な批判の声を上げるべきではないか。(ワシントン支局長 黒瀬悦成)

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