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トランプ氏、形骸化したG20活用し「米国第一」推し進め

米ホワイトハウスで、記者団の質問に答えるトランプ大統領(AP)
米ホワイトハウスで、記者団の質問に答えるトランプ大統領(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領が今回のG20首脳会議で目指すのは、中国との貿易摩擦、ロシアとの核軍縮、イラン核問題など米国が抱える懸案に関し、「米国第一」の立場から自国に有利な展開を引き出すことだ。

 G20などの多国間会議の場で設定される首脳会談は外交儀礼上、必ずしも正式な会談に位置づけられるわけではない。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領がG20の場でトランプ氏と会談を行わず、「日米蜜月」を誇示する安倍晋三首相に対抗しようとソウルでの首脳会談をトランプ氏に懇願したのもこのためだ。

 しかし、主要国などの首脳が一堂に会する多国間会議は、複数の国の首脳とそれぞれ効率的に意見を交わす一方、利害が多国間にまたがる特定の懸案については会議の場で合意形成を図れるという利点がある。

 トランプ氏も中国問題については今回、首脳会議ではサイバー攻撃などによる情報窃取、技術移転の強制、関税や非関税障壁などに関し「不公正な貿易慣行」の排除に向けた各国と認識をすり合わせつつ、習近平国家主席との直談判で具体的合意にこぎ着けたい考えだ。

 ただ、G20首脳会議の枠組みそのものは既に形骸化が明白となっており、米政権としてはさほど重要視していないのも事実だ。

 2008年に当時深刻化していた世界金融危機に対応するためにワシントンで始まったG20首脳会議は、世界経済が回復軌道に乗った09年にピッツバーグで開かれた第3回首脳会議の時点で、本来の役割は終了したとの指摘は多い。

 その第3回会議でも、メディアに最も注目されたのはイランが当時、秘密の核施設の存在を明らかにしたことに対して米英仏の首脳が抗議の合同記者会見を開いたことで、形骸化の萌芽(ほうが)は既に現れていた。

 今回もG20自体は米中の直接対決を前に存在がかすみがちになるのは確実とみられる。

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