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NATO、宇宙戦略へ議論開始 中露の脅威念頭

 【ベルリン=宮下日出男】米欧の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)は26日、国防相理事会を27日までの日程でブリュッセルで開催する。NATO初となる宇宙戦略の策定に向けた議論を開始。宇宙開発を加速させている中国やロシアを念頭に、衛星破壊など宇宙を舞台とした脅威に備えるのが目的だ。

 理事会では戦略策定に向けた議論の枠組みで合意する見通し。12月にロンドンで開かれるNATO首脳会議での決定を目指す。ストルテンベルグ事務総長は25日の記者会見で「宇宙は平和目的で利用もできるが、攻撃にも利用されうる」と述べ、NATOとしての対処の重要性を強調した。

 NATOが宇宙戦略に乗り出す背景には中国とロシアによる脅威がある。両国は「衛星破壊兵器」(ASAT)の実験を成功させるなど、宇宙開発を積極的に進めており、トランプ米政権は「宇宙軍」創設を推進するなどして中露への対抗を急いでいる。

 ロイター通信によると、衛星全体のうち、NATO加盟国の衛星は65%を占める。NATOの軍事活動も艦船の航行や偵察・追跡、通信などで衛星を通じた情報に依存しており、その防衛は重要度を増している。中露の脅威だけでなく、衛星を損ないかねない宇宙ごみへの対応も課題になる。

 NATOは宇宙を陸海空などと並ぶ「戦闘領域」に加えることを目指し、議論では加盟国の衛星が攻撃された場合、集団防衛を定めたNATO条約5条を適用するか否かも焦点だ。NATOはすでにサイバー攻撃も集団防衛の発動対象にしているが、宇宙をめぐっては加盟国の意見が割れているようだ。

 理事会には米国のエスパー新国防長官代行も出席し、緊張が高まるイラン情勢について説明。ロシアの違反を受けて米国が破棄通告した中距離核戦力(INF)全廃条約が猶予期間を経て8月2日に失効した場合の対応も議題となる。

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