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【G20】中国、対米で「反保護主義」の結集狙う

中国の習近平国家主席
中国の習近平国家主席

 【北京=西見由章】世界最大の経済規模を誇る米国のトランプ政権が自国第一主義を掲げる中、中国の習近平指導部は20カ国・地域(G20)首脳会議の場を利用して「多国間主義の擁護者」としての立場をアピールし、存在感を高めたい考えだ。

 米中両国はG20閉幕直後の29日にも首脳会談を予定している。貿易戦争を再び休戦に持ち込むためにも、習国家主席が全体会議の場で、米国を名指しして痛烈に批判する可能性は低い。

 ただ米国から通商圧力を受ける議長国の日本や欧州連合(EU)諸国などを巻き込んで「反保護主義」の国際世論を結集し、トランプ米政権に圧力をかけたいのが中国の本音だ。

 習氏はG20に合わせて開く新興5カ国(BRICS)や中露印の首脳会議などの場では、「保護主義」や「一国主義」への強い反対を打ち出すとみられる。北京の外交筋は「中国は新興国が多いG20を自国のフィールドにしようとしている」と指摘する。

 中国がG20で言及するとみられる議題の一つが「質が高いインフラ投資」だ。今年4月に北京で開いた巨大経済圏構想「一帯一路」をテーマにした国際協力フォーラムで習氏が言及するなど、外交政策のキーワードとなっている。中国財政省の鄒加恰(すう・かこう)次官は今月24日の記者会見で、2016年9月に杭州で開かれたG20で「(議長国として)初めて議題にした」と胸を張った。

 ただ「質の高いインフラ投資」はもともと、日本政府が掲げていた概念だ。中国が今年に入って強調し始めたのは、アジアやアフリカの途上国をインフラ建設融資で“借金漬け”にする「債務のわな」問題に注目が集まったことが背景にある。「中国が質の高いインフラ整備を推進してきたとはだれも思っていない。自らが弱点を責められないようにするための動きだ」(先の外交筋)との冷めた見方も広がる。

 そもそも中国当局による国有企業への補助金や知的財産権の侵害、非関税障壁といった市場のゆがみは米国だけでなく他の先進国も問題視している。中国が「自由貿易体制の旗手」としての地位を認められるのは容易ではない。

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