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トルコ市長選で与党再び敗退 露製兵器購入ならさらに政権基盤弱体化も

 23日、トルコ・イスタンブールで支持者にあいさつするイマモール氏(中央)(ロイター)
 23日、トルコ・イスタンブールで支持者にあいさつするイマモール氏(中央)(ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】トルコの最大都市イスタンブールで23日、市長選の再選挙が行われ、エルドアン大統領率いる与党・公正発展党(AKP)のユルドゥルム元首相が最大野党、共和人民党(CHP)のイマモール氏に再び敗退した。

 開票率99%の時点で得票率はユルドゥルム氏が45%、イマモール氏は54%。エルドアン氏はツイッターへの投稿でイマモール氏の勝利に祝意を表した。再選挙は3月末の市長選で敗退したAKP側が不正があったと申し立てて実施された。再度の敗北はエルドアン氏にとり痛手となる。

 エルドアン氏の任期は2023年まで残っており、国会でも与党側が過半数を維持しているため、政策に大きな変化が表れるかは見通せない。

 ただ、経済低迷で政権への不満が募るなか、トルコ経済に影響力があるトランプ米政権との関係は悪化しており、先行きの不透明感が強まっている。特に、トルコは7月にもロシアから防空システムS400の国内搬入を開始するとしており、これに反対している米側の対応が当面の焦点となりそうだ。

 トルコは米国と同じ北大西洋条約機構(NATO)の加盟国で、米政権は「NATOの装備とは相いれない」としてS400の購入を見合わせるようトルコに警告。最新鋭ステルス戦闘機F35の共同開発からトルコを排除し、機体も供与しない方針も打ち出した。

 米政権はトルコがS400購入に踏み切れば、「敵対者に対する制裁措置法」(CAATSA)に基づく制裁も辞さない構えを示している。米政権は昨夏、トルコが輸出する鉄鋼の追加関税を倍に引き上げる経済制裁を発表し、通貨リラが暴落する一因となった。

 トルコがS400を購入して米政権が制裁に踏み切った場合、国内経済が打撃をこうむり、エルドアン氏の政権基盤がさらに弱体化する公算が大きい。

 一方で、トルコはシリア内戦や国内の原発建設などを通じ、ロシアとの関係を深めている。「もはやエルドアン政権がS400購入を中断することは難しい」(在トルコのジャーナリスト)との見方も聞かれる。

 求心力を失いつつあるエルドアン氏は、経済面のリスクを承知の上でロシアとの友好関係を優先するのか。トルコのS400購入問題は、同国の安全保障と経済に決定的な影響を及ぼしかねない。

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