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日本人採集の昆虫標本、オマーンで常設展示へ

アゲハチョウの標本をオマーンに寄贈した中江信さん(小原みね子さん撮影)
アゲハチョウの標本をオマーンに寄贈した中江信さん(小原みね子さん撮影)
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 日本のアゲハチョウ研究家らが世界で採集した昆虫の標本約7000点が中東のオマーンに寄贈され、新設される国立歴史博物館の昆虫館で常設展示されることになった。同国は来年、カブース国王在位50年を迎え、記念事業の一環として移動展示も検討中という。乾燥した砂漠地帯の中東地域では昆虫採集の文化がなく、子供たちの貴重な教育素材として活用が期待される。

 寄贈したのは、横浜市青葉区の中江信(まこと)さん。中学校の夏休みの自由研究でチョウに魅せられ、熱帯地域でチョウの調査、採集もやってみようと、外資系の石油会社に就職。エンジンオイルなどの営業に従事する傍らチョウを追って世界三十数カ国を飛び回ってきた。

 今回の寄贈は、久枝譲治・元駐オマーン日本大使がチョウの採集で知り合いだったことから発展。久枝氏の紹介で、日本オマーンクラブの遠藤晴男名誉会長が現地と交渉にあたり、2年がかりで話がまとまった。寄贈品には、女性昆虫専門家、小原みね子さんの採集した世界のカブトムシやセミの標本も加えられた。

 中江さんと小原さん、遠藤さんの3人は4月19日から約1週間、オマーンを訪問し、首都マスカットで政府の関係者ら協議。カブース国王に直接、進言できる閣僚級の王宮府事務総長が出席し、今後の支援を確約した。話は国王にも伝わっており、両国の文化交流の発展に期待が募っている。

 オマーンの砂漠地帯のオアシスにも実は70種以上のチョウが生息しているが、一般には知られていない。中江さんらは訪問中にオアシスで採集を行い、その標本も寄贈する意向だ。

 中江さんは「オマーンは国土の大半が砂漠。昆虫採集の文化がなく、子供はチョウやカブトムシを触ったこともない。多くの子供に昆虫に興味を持ってもらいたい。一方で、政府は海外からの観光客を増やそうとしている。周辺の中東各国にない標本展ができれば、地域での差別化も図ることができる」と期待する。

 オマーン王室は日本とも関係が深く、ブサイナ王女の母は日本人である。王女はチョウの柄が好みといわれ、小原さんは今回の訪問中に、日本の国蝶オオムラサキと両国に生息するキアゲハの標本を王女に贈呈。王女からの直筆の礼状は、両国間の歴史に残る成果と受け止められている。(蔭山実)

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