PR

ニュース 国際

イラン、通貨の信用不安深刻化…車や不動産投資、仮想通貨に走る

刻々と変わる株価を見ながら売買を行う証券会社の社員=15日、テヘラン証券取引所(佐藤貴生撮影)
刻々と変わる株価を見ながら売買を行う証券会社の社員=15日、テヘラン証券取引所(佐藤貴生撮影)

 イランで通貨リアルの下落に歯止めがかからず、信用不安が深刻化している。車や不動産、金などに投資して資産の目減りを防ぐ動きが続き、仮想通貨への投資も増えている。イラン沖のホルムズ海峡近くで日本のタンカーなどが攻撃される事件が起き、米との軍事的緊張がさらに高まる中、経済悪化が続いて原油輸出に悪影響が出るとみる評論家もいる。(テヘラン 佐藤貴生、写真も)

■新車価格は2・5倍に急騰

 首都テヘランの市街地にある証券取引所では15日、数百人の投資家が刻々と変わる株価を見ながら、売買を行う姿がみられた。「株の情報を集めに来た」という通信会社元社員、アリレザーさん(58)は1年半前、市内に100億リアル(実勢レートで約830万円)で住宅を購入。資産価値は3・5倍になったが、通貨の価値も急落したため、「売ってもほとんど利益は出ない」と話した。

 庶民向けの新車の価格はここ1年余で5億リアルと2・5倍に跳ね上がったが、最近やや値段が下がった。投資の過熱で懸念が広がった結果といわれる。政府は補助金を出して車のガソリンを1リッター当たり7~8円と極めて安価に抑えている。「値上げして暴動になることを恐れているからだ」との声も聞いた。

 証取の広報担当の男性(41)は、「株式市場に流入する資金や投資家の数は増加している。車や不動産、金などに投資しても対米関係の動向による乱高下が激しく、リスクが大きいからだ」と話した。デリバティブ(金融派生商品)や仮想通貨への投資も急増しているという。

■長期的には原油輸出に影響

 経済ジャーナリスト、ハキフィルーズ氏(41)は、「日本のタンカーなどへの攻撃事件で海外からの投資はさらに冷え込む」とし、政府が操業中の油田への追加投資を控えれば、10年後には国内需要を満たすのが精いっぱいとなり、輸出に回せる原油がなくなると予測した。

 同氏によると、イラン・イラク戦争(1980~88年)当時は、地方の住民が全体の6割を占めて食料も自給できたが、今は都市住民が75%となり食料も輸入に依存しているとし、「戦争になれば国民は適応できないだろう」との見方を示した。トランプ米政権が対イラン制裁を「史上最高レベルの制裁」と称していることについては「正確な表現だ」とし、イラン経済が大きな打撃を受けていることを認めた。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ