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イラン、原油危機あおり米に対抗 タンカー攻撃

13日、ホルムズ海峡付近で攻撃を受けて火災を起こし、オマーン湾で煙を上げるタンカー(AP)
13日、ホルムズ海峡付近で攻撃を受けて火災を起こし、オマーン湾で煙を上げるタンカー(AP)

 【テヘラン=佐藤貴生】イラン沖でタンカー2隻が攻撃された事件で、イラン政府は関与を否定する一方、原油の海上輸送の要衝、ホルムズ海峡の封鎖などを示唆してトランプ米政権への対抗姿勢を強めている。一見、軍事的緊張をあおるような動きだが、海峡を封鎖すれば原油の安定供給への危機感が強まり、米国に対して緊張緩和を求める国際世論が高まるとの計算もありそうだ。

 イラン外務省のムサビ報道官は14日、「米国によるイランへの非難は憂慮すべきだ」と述べた。ポンペオ米国務長官が事件に関し、イランの関与を断定したことが、同海峡で危険が強まる原因になっているとの見方を示したものだ。

 米国による空母打撃群の中東派遣で緊張が高まった5月以降、イラン側ではホルムズ海峡封鎖も辞さないとの発言が絶えない。海上輸送原油の3割が通る同海峡の封鎖は原油の安定供給に大きな打撃となり、イランだけでなく米国に対しても緊張緩和を求める声が強まる可能性がある。イランにすれば経済面で国際世論の懸念をあおることは、米による軍事攻撃を抑制することにもつながる。

 原油供給を脅かす動きは他の地域でもみられる。5月にはサウジアラビアの首都リヤド郊外の原油パイプラインにイエメンの武装組織「フーシ派」が無人機攻撃を加え、パイプラインが一時使用停止に陥った。フーシ派はイラン指導部と同じイスラム教シーア派の組織で同国と関係が深く、イエメン内戦でサウジ主導の連合軍と戦っている。

 連合軍の報道官は13日、今回の事件は昨夏、紅海でサウジの原油タンカー2隻がフーシ派に襲撃された事件と「結びつけることができる」と述べた。フーシ派がサウジの原油輸送網への攻勢を強めることを懸念しているとみられる。

 トランプ政権はイラン産原油の取引禁止を打ち出す際、代替調達先としてサウジの増産に期待を寄せてきた。フーシ派はそのサウジのタンカーやパイプラインなどに打撃を与えられることを誇示している形だ。

 フーシ派の活動が今回の事件やイランと連動しているかは不明だが、戦闘は激化する傾向にある。米政権は友好関係や原油の安定調達を維持する意味で、サウジに戦火が及ぶことは避けたいとみられる。一方のイランは自らの影響下にあるフーシ派の存在も、米政権に本格的な軍事行動を思いとどまらせる抑止力として計算しているようだ。

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