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【特派員発】ごみ埋め立て場 無断計画に露住民反発 ロシア北西部・ウルドマ 小野田雄一

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ごみ急増 400万ヘクタール飽和状態

 世界最大の国土を擁するロシアでは、ほとんどのごみを分別も焼却もせず、ひたすら埋め立ててきた。可燃ごみと不燃ごみはもとより、有害物や医療系廃棄物も全て一緒くたにである。ここにきて各地の埋め立て場が飽和状態となり、対策が急務となっている。

 ごみ処理のあり方は、恒常的な物不足だったソ連時代からほとんど変わってこなかった。その一方で1991年のソ連崩壊後、市場経済化で都市住民は消費文化を謳歌(おうか)するようになり、ごみの排出量は爆発的に増えた。

 経済紙ベドモスチによると、ロシアでは家庭ごみだけで年間7千万トンが排出されている。焼却やリサイクルに回されるのは10%にも満たず、大半が埋め立てられている。2014年時点で、ロシア全土の埋め立て場は計400万ヘクタールと、スイス1国分の面積がごみに埋まっている状態だった。埋め立て場以外にも、都市郊外には不法投棄されたごみの山が多数存在する。

 人口1200万人を数える首都モスクワの郊外では特に問題が深刻だ。ソ連時代に造られた埋め立て場はとうに満杯となり、近隣からは異臭や健康被害の訴えが相次ぐ。地元住民の反対が強く、埋め立て場の拡張や新設は難しい。

 政権はようやく重い腰を上げ、今年からリサイクル拡大を目指したごみの分別回収制度をスタートさせた。しかし、モスクワや第2の都市サンクトペテルブルクなどが、準備不足のために22年まで実施を猶予された。ごみ減量への即効性は期待しにくい。

 モスクワ州では日系企業と共同でごみ焼却施設を建設する計画もあるが、施設の稼働は21年以降になりそうだ。ごみ問題をめぐる人々の権力不信は根深く、焼却施設の計画に対してまで反対運動が起きている。

【用語解説】ロシアの地方統治

 プーチン大統領は2004年、知事など連邦構成体首長の直接選挙を廃止し、地方統制を強めた。11年末にモスクワなどで大規模な反政権デモが行われたのを受け、連邦構成体の首長選挙は12年に復活された。ただ、候補者は地方議員の5~10%の署名を集めねばならないなど制約は多く、実質的には大統領が任免権を保持している。より下位の市長職などについても、直接選挙はほとんど行われていない。

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