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【特派員発】ごみ埋め立て場 無断計画に露住民反発 ロシア北西部・ウルドマ 小野田雄一

シベリア・ノボシビルスク州にある生活ごみの埋め立て場(国営ロシア通信)
シベリア・ノボシビルスク州にある生活ごみの埋め立て場(国営ロシア通信)
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プーチン体制きしみ

 人々の知事退陣要求はさらに、プーチン氏への失望や批判にも転じつつある。プーチン氏こそが、2004年に地方知事を任命制とするなどし、「垂直の権力」と呼ばれる強固な中央集権体制を築いたためだ。オルロフ知事も中央から送り込まれた“落下傘知事”であり、アルハンゲリスク州との接点はなかった。

 自分たちの地域代表を選んでいないから、モスクワが私たちの生活を顧みずに蹂躙(じゅうりん)する-。住民からは、地方自治を要求する素朴な声が高まっている。

 埋め立て場建設とごみ運搬の計画には、モスクワ市幹部の牛耳る企業や、検事総長の親族が経営する企業が絡んでいる。これも住民の怒りを増幅させている。ロシアでは政権に近い者たちが大型ビジネスを支配する構図があり、住民の目には腐敗や癒着が自分たちを苦しめているように映る。

 「政府や行政は住民の声を聞かず、嘘ばかりついてきた」。こう憤る前出のビクトロフさんは「プーチンは何もしてくれない。今こそロシアは変わるべきだ」と力を込めた。

 圧倒的だったプーチン氏の支持率は低下傾向にある。最近の世論調査によると、「大統領選があったとしたらプーチン氏に投票する」という回答が48%にとどまった。「国が正しくない方向に進んでいる」という人は4割以上にのぼっている。経済低迷が長期化していることや、政権が昨年、年金支給年齢の引き上げを決めたことが大きい。最近はこれに加え、国民生活に直結するローカルな問題をめぐって抗議デモが頻発している。

 政治評論家のコレスニコフ氏はアルハンゲリスク州のごみ問題について、「抗議は想定していなかったところから起きた。体制の基盤と考えられていた『沈黙の大衆』、しかもその存在が忘れられていた(辺境)地域からだ」と露メディアで指摘。政権が対応を誤れば、抗議は各地に広がるだろうと警鐘を鳴らした。

 ごみ問題からは、硬直化したプーチン体制のきしむ音が聞こえてくる。

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