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【特派員発】ごみ埋め立て場 無断計画に露住民反発 ロシア北西部・ウルドマ 小野田雄一

ごみ埋め立て場の建設を阻止しようと現場に陣取る女性たち(小野田雄一撮影)
ごみ埋め立て場の建設を阻止しようと現場に陣取る女性たち(小野田雄一撮影)
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 住民たちは何も知らされていなかった。昨年夏、森を訪れた猟師が建設重機を目撃し、作業員から「ごみ埋め立て場を建設している」と聞いて計画が発覚した。当初、ネット上の抗議グループ参加者は1千人ほどだったが、今は1万8千人にまで膨らんだ。

 今年2月にウルドマで行われた抗議デモには住民の半数近い2千人が参加。約800キロ離れた州都アルハンゲリスク(人口約35万人)でも7千人が街頭抗議に加わり、デモは断続的に続いている。ウルドマから約120キロ東方のシクティフカル(同約24万人)でも6月2日、約1万人がデモに参加した。

 ウルドマ住民らは交代で現場に張り込み、重機用燃料の搬入を止めるため、道路を封鎖したり、ヘリの着陸を阻んだりしている。5月には住民と守衛や警官隊の衝突で負傷者も出た。

勝手に受け入れ決定

 ごみを1200キロも鉄道で運ぶ計画は、いったいなぜ出てきたのか。背景にあるのは、ロシアでは大半のごみが焼却もされずに埋め立てられており、モスクワ周辺の埋め立て場が飽和状態になっている実態だ。モスクワ郊外では近年、住民の抗議でごみ埋め立て場が閉鎖されたり、拡張工事が阻止されたりしている。行き場のないごみを何とかするため、モスクワ市は鉄道で結ばれたアルハンゲリスク州の森に目をつけたのだった。

 「モスクワは新しいビルや道路を次々と建設しているが、ごみも自分たちで処理すべきでないのか」。抗議運動に参加するセドゥロフさん(57)は「北部地域はモスクワの植民地ではない」と憤る。

 一連のデモで、人々は埋め立て場の計画撤回はもとより、オルロフ州知事の退陣を求めている。ほかならぬ同知事が、モスクワのごみ受け入れを勝手に決めたからだ。

 知事は、建設に関わる投資が105億ルーブル(約177億円)に上り、雇用が増えるといった地域の「利益」を強調している。だが、本来必要な環境影響評価は行われず、住民生活への配慮は乏しい。

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