【海外事件簿】インドで止まぬ少女暴行 死刑適用も効果に疑問
インド各地で、幼い子供が犠牲となる性的暴行、殺害事件が後を絶たない。昨年4月に子供への性的暴行の罪に対し死刑が認められたにもかかわらず、今年2月には西部ムンバイで5歳の少女が犠牲となる事件が発生。地元の弁護士からは、厳罰化によって子供の安全を守る本来の目的が果せるのか疑問の声が上がっている。(外信部 岡田美月)
■就寝中に拉致
5歳の少女が犠牲となった事件は、2月7日、ムンバイのマヒム地区で発生した。
米CNNテレビ(電子版)によると、少女は路上の掘っ立て小屋で両親と3人のきょうだいとともに寝ているところを拉致され、近くの道路沿いで遺体で発見された。検視の結果、性的暴行を受けていたことが確認された。
インドでは昨年4月、12歳未満の子供への性的暴行の罪に対して死刑の適用を認めると閣議で了承され、その後、刑法が改正された。背景には、少女や幼女が犠牲となる凄惨な事件が後を絶たず、国民から怒りの声が上がっている現状がある。
厳罰化の契機となった事件の一つとして注目を集めたのが、昨年1月、8歳のイスラム教徒の少女が性的暴行を受け殺害されたケースだ。地元報道などによると、ヒンズー教至上主義者らの犯行とみられ、逮捕された男8人の中には、3人の警察官と元官僚が含まれていた。事件後、インド各地では、子供を狙った性犯罪の撲滅を訴えるデモが広がった。
■被害の“過少申告”
法改正により、子供への性犯罪をより厳しく裁くための基盤が作られたインド。だが、その後も少女を狙った性的暴行事件は後を絶たないのが実情だ。