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【欧州議会選】ロシアの干渉警戒 EU偽情報対応も課題

 【ベルリン=宮下日出男】23日に投票開始が迫る欧州連合(EU)の欧州議会選挙ではフェイクニュース(偽情報)やサイバー攻撃への対応も重要な課題に上る。有権者の判断を惑わす虚偽情報はEU懐疑派のポピュリズム(大衆迎合主義)勢力に有利に働きかねない。これらを支援するロシアの干渉も予想され、EUは警戒を強めている。

 現地の報道によると、イタリアでは13日、米フェイスブック(FB)が偽情報を流布するアカウント23件を閉鎖した。うち半数以上が反移民でEU懐疑派の「同盟」などポピュリズム政権2与党を支持し、移民が警察車両を襲う虚偽の映像などを投稿していた。

 調査したのは国際的な市民団体。その関係者は「選挙を前に憎悪と社会の分断をあおる嘘が拡散されている証拠だ」と訴えた。

 偽情報は世論形成にも影響を与え、民主主義の健全性にかかわる問題だ。EUやその政策に関して歪曲(わいきょく)された情報が広がれば、EU懐疑派の伸長を促す可能性もある。懐疑派は親ロシア的な傾向も強い。ロシアがEUの不安定化のため、2016年の米大統領選のように介入してくることは特に強く警戒されている。

 EUはこのため昨年以降、FBやグーグルなど米IT大手と「行動規約」を結び、偽情報を拡散するアカウントの閉鎖やファクトチェック(事実確認)強化など自主的な対策を要請。マクロン仏大統領は10日、FBのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)とパリで会談し、対策の強化についても話し合った。

 企業側だけでなく、EUも独自に対策用のホームページを作り、露メディアなどの偽情報に関する情報を提供している。3月には「即時警告システム」を発足させ、加盟国間で偽情報を使ったキャンペーンなどの情報を共有し、連携を強化させる体制を整えた。

 ただ、対策に限度があるのは否めない。米セキュリティー会社「セーフガード・サイバー」が3月に行った独自調査では、10日間で偽情報を流すロシア関連の発信元を6700件が特定されたという。EUの総人口の半分近くの約2億4千万人がその情報に接した可能性があるともしている。

 EUでサイバー・セキュリティーを担うキング欧州委員はこれを受け、「全関係者がもっとやるべきことがある」と強調した。だが、膨大な情報量のため「すべてをチェックするのは不可能」(FB関係者)との声も上がっている。

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