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【赤の広場で】ロシア戦勝記念日に思う

戦勝記念日のパレードで行進するロシアの女性兵士=9日、サンクトペテルブルク(AP)
戦勝記念日のパレードで行進するロシアの女性兵士=9日、サンクトペテルブルク(AP)

 9日はロシアで「大祖国戦争」と呼ばれる第二次大戦の対ドイツ戦勝記念日だった。軍事パレードが各地で繰り広げられ、街には戦勝旗を手にした人々が行き交う。テレビは戦死した兵士の遺族らのインタビューを一日中、流していた。

 戦争に対する立場の違いはあるにせよ、日本の8月15日の静謐(せいひつ)さを思うと、ロシアの「お祭りムード」にはどこか違和感がある。

 ただ、国民結束のよりどころが少ないロシアにあって、「戦勝」は国威発揚の雰囲気を演出したいプーチン政権にとっては、数少ない機会だったのだろう。

 政権の思惑が奏功してか「ロシア民族は偉大だ」と考える国民の割合は、ソ連崩壊(1991年)の翌年には13%だったが、最近では64%にアップ。「ロシアは偉大な列強国」との回答も30%から70%に増えた。

 経済の低迷が続く中、軍事面で一段とアピールを強めることになりそうだ。

 言論の自由の制限も進んでおり、ロシアはソ連時代の一党独裁体制に回帰しつつあるとの指摘がある。

 それでも、「戦勝記念日が近年、戦争の喪失を悼む場から、政権のプロパガンダ(政治宣伝)の場に変わってしまった」と嘆いたベドモスチやノーバヤ・ガゼータなど一部大手紙の記事を読んで、救われた気がした。(小野田雄一)

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