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フィリピン中間選、ドゥテルテ陣営圧勝「親中路線」の行方注目

会談を前に握手を交わすフィリピンのドゥテルテ大統領(左)と中国の習近平国家主席=4月25日、北京の人民大会堂(共同)
会談を前に握手を交わすフィリピンのドゥテルテ大統領(左)と中国の習近平国家主席=4月25日、北京の人民大会堂(共同)

 【シンガポール=森浩】フィリピンで13日に投票された国政・地方選挙(中間選挙)は17日までに大勢が判明し、ドゥテルテ大統領派が圧勝する見通しとなった。強権的な手法が批判されるドゥテルテ氏だが、国内では高い支持率を獲得しており、人気を裏付けた格好だ。政権運営を盤石にしたドゥテルテ氏の任期後半は、親中国路線の行方が注目を集めそうだ。

 選挙管理委員会の集計によると、政権運営に影響を与える上院(24議席)は改選12議席のうち、ドゥテルテ氏を支持する候補が9議席を確保する見通し。残る3議席も政権に近い候補が獲得するもようで、反ドゥテルテ派候補はすべて落選確実となった。

 地元民間調査会社ソーシャル・ウェザー・ステーションの中間選挙直前の調べによると、ドゥテルテ氏の支持率は81%を記録。国際社会から「過剰」との批判を集める薬物犯罪の撲滅作戦も、犯罪組織に強い姿勢を求めた国内世論の評価を得ている。何より6%台を維持する経済成長が支持を集める。

 好調な経済の一因が中国との関係だ。ドゥテルテ氏は大統領就任以来、アキノ前政権ですきま風が吹いた中国との関係改善に着手。経済援助を引き出した。政府が昨年認可した中国からの投資総額は一昨年の20倍超となる約507億ペソ(約1062億円)に達した。

 しかし、今年に入って南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島にある比実効支配域近くで、2百隻以上の中国船の航行が確認され国内では反発が起き、首都マニラでは反中デモも展開された。

 ドゥテルテ氏も4月の中国の習近平国家主席との会談で、中国の南シナ海での主権主張を否定した2016年の仲裁裁判所の判決を議題に取り上げて、尊重するよう求めるなど不快感をあらわにした。5月3~9日には日米印とともに南シナ海で中国の海洋進出を念頭に置く共同訓練を実施するなど、安全保障面で中国と対立する姿勢も見せる。

 対中強硬の背景には、中間選挙前に弱腰な部分を見せたくないというドゥテルテ政権側の思惑も働いたもようだ。外交筋は「任期後半も中国から経済協力を引き出したい考えは変わらないだろう。ただ今回盛り上がった国内の反中世論は根強い。中国べったりでは反発を生む可能性もある」と分析している。

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