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出口なきチキンレース 中国「不平等条約」と硬化

習近平国家主席=14日、北京(AP)
習近平国家主席=14日、北京(AP)

 中国の習近平指導部が貿易協議で米側の要求を押し戻したのは、丸のみすれば共産党の体制維持を揺るがす「不平等条約」になると判断したためだ。米側との協議は続ける構えだが“チキンレース”での対抗手段は弾切れに近く、トランプ米大統領の政治的立場が変化するのを期待するしかない状況だ。

 中国は今回、米側の追加関税引き上げに対する報復措置の発動に約3週間の猶予をとった。またこれまでに追加関税率を25%まで引き上げたのは液化天然ガス(LNG)など2493品目で全体の5割未満だ。

 国内経済への配慮という側面もあるが、中国人民大の時殷弘教授は「温和な措置であり、協議継続と休戦合意への意思を体現している」と強調する。

 貿易協議は妥結が近いとの観測が広がっていた。ただ米側が求める国有企業への産業補助金の削減など構造改革の核心部分については、中国は当初から「主権に関わる問題だ」と妥協しない姿勢を示してきた。

 米側が合意内容を履行させるために大量の法改正を求めたことも「中国の最も基本的な自主権を損なうもので、完全に不平等条約だ」(時教授)と態度を硬化させる要因となった。

 党関係者は、対米交渉の最終段階で「改革派と保守派の論争があったようだ」と指摘する。しかし決定権を終始握っていたのは習氏だ。「党指導部で一番の保守派は習主席自身」(北京の外交筋)との声もある。

 中国は出口が見えない我慢比べへと再びかじを切ったが、有効打は見いだせない。米側がさらに年3000億ドル規模の追加関税発動を示す一方、中国が追加関税を発動できる余地は残り500億ドル分足らずだ。

 時教授は、全ての対米輸出品に25%の追加関税が発動されれば「中国は相当な困難に直面する」と認めつつ、こう付け加えた。「米国も負担は大きい。どちらが先に頭を下げるかだ」(北京 西見由章)

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