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アサド政権と露 イドリブで攻撃強化 トルコとの思惑の違い鮮明に

シリア北西部イドリブで、アサド政権軍がロシア軍の支援を受け、反体制派への攻撃を激化させている(AP)
シリア北西部イドリブで、アサド政権軍がロシア軍の支援を受け、反体制派への攻撃を激化させている(AP)

 【カイロ=佐藤貴生】シリア北西部イドリブでアサド政権とロシア軍が反体制派への攻撃を強化している。昨年9月、停戦のため非武装地帯を設置することでロシアと合意したトルコは、ロシアに対し攻撃を停止してアサド政権軍のイドリブへの進撃を止めるよう求めている。シリア内戦で共同歩調を取ってきたロシアとトルコの思惑の違いが鮮明になっている。

 アサド政権軍は4月下旬以降、ロシア軍の空爆支援を受けてイドリブへの攻撃を強化。政権軍は非武装地帯の内側に進攻して一部の町を制圧したもようだ。

 英仏独3カ国は13日、攻撃の激化に懸念を示し、事態の収拾を求める声明を発表した。攻撃では「たる爆弾」と呼ばれる焼(しょう)夷(い)弾も使われ、人口密集地も標的になっており、ここ数週間で民間人120人以上が死亡したとしている。

 トルコのアカル国防相は10日、戦闘停止のため、ロシアに「効果的で断固とした手段」を取るよう求めた。トルコにすれば、非武装地帯で警戒に当たる自国の兵士に危険が及びかねない上、イドリブからトルコ国境に向けて避難民が殺到するとの懸念がある。

 非武装地帯はイドリブを取り囲むように設置されたとみられ、トルコはイスラム武装勢力を同地帯から撤退させるようロシアに委ねられた。しかし、イドリブでは今年、国際テロ組織アルカーイダ系「シリア解放機構」(HTS)がさらに勢力を拡大。ロシアが使用する北西部ラタキア近郊のへメイミーム空軍基地に武装勢力がロケット弾を撃ち込んだこともあり、ロシアが危機感を強めた可能性もある。

 ペルシャ湾周辺で米とイランの軍事的緊張が高まる中、シリアの戦線拡大は中東情勢の流動化に歯止めがかからない現状を象徴している。

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