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豪、政権交代の可能性…対中姿勢に変化も 18日に総選挙

握手するオーストラリアのモリソン首相(左)と、労働党のショーテン党首=3日、オーストラリア東部ブリスベン(AP=共同)
握手するオーストラリアのモリソン首相(左)と、労働党のショーテン党首=3日、オーストラリア東部ブリスベン(AP=共同)
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 【台北=田中靖人】オーストラリアの総選挙が18日、投開票される。今回から定数151となる連邦下院議会選は野党、労働党が世論調査の支持率で過半数を獲得する見通しとなっており、6年ぶりの政権交代の可能性が出ている。与党、保守連合(自由党、国民党)は近年、対米協調、対中警戒路線を強めていて、中道左派の労働党が政権を奪還した場合の対中姿勢の変化を警戒する見方が根強い。

 豪有力紙オーストラリアン(電子版)が5日に行った世論調査の支持率は、労働党が51%、保守連合は49%となった。獲得予想議席は、労働党が77議席超で過半数(76議席)を確保し、保守連合は68議席と改選前(74議席)を下回る見通しだ。

 ただ、4月11日の下院解散直後の予想議席数は労働党が88議席、保守連合は63議席で差は縮まっている。選挙戦で与野党とも低中所得者向け所得減税を打ち出すなど争点は内政だ。

 モリソン首相は昨年8月、自由党内の政争の結果、就任した。有権者は、保守連合政権の6年間で3人目となった首相に嫌気し、就任時の政党支持率は労働党に12ポイント差も付けられ、その後も逆転していない。対する労働党は2013年に就任したショーテン党首の下で16年の選挙で躍進し今回、政権奪還を目指す。

 豪州では近年、中国企業の進出や中国人企業家による内政干渉疑惑が注目され、中国への警戒感が高まってきた。防衛大学校の福嶋輝彦教授は「豪州では外交・安全保障政策に与野党の共通認識があり、政権交代でも大きな影響はないはずだ」と指摘する。労働党は、17年末にターンブル政権が中国を念頭に提出した外国からの内政干渉やスパイ活動を阻止するための法案に賛成している。

 一方で、労働党は保守連合の対中政策の批判もしている。ショーテン氏は昨年10月の講演で中国の経済力を「見方によってはすでに世界最大だ」と称賛し、「中国の役割や増大する影響への対応として、戦略的な脅威と位置づけることは不適切だ」と指摘した。

 同党の「影の外相」でマレーシア系華僑のペニー・ウォン上院議員も今月1日の講演で、中国との関係維持のために「豪州の中華系社会の声も聞かなければならない」と述べた。

 労働党の外交政策の公約は、太平洋島嶼(とうしょ)国への援助増額や国際機関の活用など「理想主義」的な側面がある。豪州のシンクタンク、ローウィー研究所のマクレガー上級研究員は「ショーテン氏は夢想家で、中国に関わる分野には不安がある」と指摘している。

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