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中東の「核ドミノ」懸念 イランの核合意履行、一部停止で

 【カイロ=佐藤貴生】イランが2015年の核合意の履行を一部停止すると表明したことを受け、中東の周辺国が核武装を目指す「核ドミノ」への懸念が強まりそうだ。イランと敵対するサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は核兵器獲得への野心を隠しておらず、事実上の核保有国イスラエルとイランの軍事的緊張が高まる事態も否定できない。核をめぐるイランの方針転換はさらなる中東の不安定化を招く可能性が大きい。

 サウジは同盟国イスラエルと並び、トランプ政権がイラン封じ込め戦略の要に据える友好国だ。イスラム教スンニ派の盟主を自任し、シーア派の大国イランと中東の覇権を争う。ムハンマド皇太子は昨年、「イランが核爆弾を開発したら、サウジもすぐ後を追う」と明言した。

 トランプ政権は今年3月、米企業がサウジに原子力技術の一部を供与することを承認した。20年までに原発2基を建設する計画があるサウジは「平和利用が目的だ」と強調しているが、核兵器開発に関連するウラン濃縮や使用済み核燃料の再処理を自国で行いたい-と米側に伝えてきたとされ、米議会で技術移転を懸念する声が出ていた。

 イランが核合意を破って高濃縮ウランの製造に着手した場合、サウジの核武装への意欲が高まる可能性が強く、トランプ政権の対応が焦点となりそうだ。

 また、イスラエルのネタニヤフ首相は8日、イランの方針転換を受け、「核兵器を獲得することは許さない」と述べ、イランの核武装阻止に向けて戦い続けると強調した。

 イランは対イスラエル攻撃を視野に同国の隣国シリアで軍事拠点を建設しているとされ、イスラエル軍がしばしば空爆を行ってきた。また、イスラエルは07年にシリア東部で建設中の原子炉とみられる施設を空爆したほか、1981年にもフセイン政権下のイラクで原子炉を破壊している。

 対イラン強硬派で知られるネタニヤフ氏は連立協議を経て首相にとどまることが確実視されており、一触即発の緊張した事態が続きそうだ。

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