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「中国、潜水艦隊を増強」米国防総省が報告書

 【ワシントン=黒瀬悦成】米国防総省は2日、中国の軍事・安全保障の動向に関する年次報告書を公表した。報告書によると、中国海軍は潜水艦隊の増強を優先課題に掲げ、「2020年までに65~70隻体制となる」と予想した。

 報告書によると、中国海軍は現在、戦略原潜4隻、攻撃型原潜6隻、通常動力の攻撃型潜水艦50隻の計60隻を保有。また、「20年代半ばまでに対艦巡航ミサイルを搭載した093型(商級)攻撃型原潜の改良型を建造する見通し」としており、西太平洋に展開する米海軍の空母打撃群などに対する接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略の強化につながる恐れが高い。

 報告書はまた、18年の中国の国防予算に関し、公式には1750億ドル(19兆5千億円)規模とされているものの、研究開発費や外国からの兵器購入費などを含めると「実際には2千億ドルを突破したとみられる」と指摘。22年までには2600億ドルまで膨張するとの予測も明らかにした。

 報告書はその上で、中国人民解放軍の戦略的方針の中心は台湾問題であると指摘し、中国が「平和的統一」を提唱しつつも台湾への武力行使をにらんだ軍事力の増強を着々と進めていると強調した。

 台湾海峡有事で中国が取り得る軍事行動としては「航空・海上封鎖」「サイバー攻撃や潜入活動などによる台湾指導部の失権工作」「軍事基地や政治中枢への限定的な精密爆撃やミサイル攻撃」「台湾侵攻」などが想定されるとした。

 ただ、中国による台湾への大規模な上陸侵攻作戦については「現時点で揚陸艦部隊を拡充させている動きは確認できない」としたほか、国際社会の介入は必至であるとして実際に行われる可能性は高くないとの見方を示した。

 報告書は一方、中国による新たな動きとして、中国が北極海航路を「極北のシルクロード」と位置づけ、将来の軍事拠点構築も視野に北極地域での活動を活発化させていると指摘した。

 具体的には今後、中国が米国からの核攻撃抑止の思惑から北極海に潜水艦を展開させる恐れがあるとしたほか、中国がグリーンランドに研究施設や衛星基地の設営などを提案し、デンマークが懸念を示しているなどの事例を紹介した。

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