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TPP発効で米に焦燥感 農家不満、重み増す対日交渉

笑顔で会談する安倍首相(左)とトランプ米大統領=26日、ワシントンのホワイトハウス(ロイター)
笑顔で会談する安倍首相(左)とトランプ米大統領=26日、ワシントンのホワイトハウス(ロイター)

 日米貿易交渉でトランプ米大統領が早期妥結を目指す背景には、米国が離脱した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)発効で、米輸出業者が出遅れることへの焦燥感がある。米国の農家は日本でTPP参加国より高い関税を課され、不満を強めている。大統領選を控えるトランプ氏は、支持層と重なる農家の離反を避けようと対日協議を一段と急がせるとみられる。

 26日の日米首脳会談に同席した茂木敏充経済再生担当相は、記者会見で「米国は一貫して(自国が不利になっている)状況を改善したいと日本に伝えてきている」と明かした。

 TPPや日本と欧州連合(EU)が結んだ経済連携協定(EPA)の枠外に置かれた米国は、日本市場で関税引き下げなどの恩恵を受けられない。特に牛肉などの畜産業者は、オーストラリアなどに日本の取引先を奪われ「悲鳴を上げている」(米議員)という。

 通商政策を重視するトランプ政権だが、まだ目立った成果があがっていない。中国との貿易協議は長期化しており、昨年秋に合意した北米自由貿易協定(NAFTA)の新協定も、野党・民主党の反対で、年内の議会承認は困難な情勢だ。

 そのため、農業市場の開放でTPP水準を上限とした日本との貿易交渉は、米政府にとり重みを増している。トランプ氏が言及した5月の訪日時の妥結は「急いでも不可能」(日本政府高官)との見方だが、早期合意を優先する米国に、日本側要求への歩み寄りを促す圧力となりそうだ。

 ただ、米政府の政策がトランプ氏の一存で決まる傾向を強める中、日米交渉を担当する茂木氏とライトハイザー通商代表による今後の協議が難航すれば、トランプ氏が厳しい対日姿勢に転じる懸念は拭えない。(ワシントン 塩原永久)

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