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【ベルリン物語】壁博物館で目を引いた「ドイツ人を押さえ込む」

 東西ドイツ分断を象徴した「ベルリンの壁」崩壊から今年で30年。これを機会に分断時代の様子を伝える「壁博物館」を久しぶりに訪れた。目を引いたのはパネルで紹介されていた、この言葉。「米国人を引き込み、ロシア人を締め出し、ドイツ人を押さえ込む」

 創設70年を迎えた北大西洋条約機構(NATO)の初代事務総長、英国人のイスメイ卿が1955年の西ドイツ(当時)加盟で語った同盟の目的だ。NATOの一義的な目的はソ連に独自で対抗できない英仏が米国を巻き込んで西欧の安全保障体制を築くことだが、同時に2度の大戦をもたらしたドイツを押さえる狙いがあったことを思い起こす。

 米著名評論家も最近の論評でこの点を指摘した。ドイツは19世紀に国民国家として誕生、その強大さから欧州の不安定要因となったが、戦後は米国関与が重しとなり、NATOや欧州統合、自由貿易など欧米秩序に組み込まれて平和的に発展した-との論だ。

 その秩序も揺れている。米国が「一国主義」をさらに強め、欧州統合懐疑派が政権を握る国々にドイツが囲まれる事態になればどうなるか。「平和なドイツ人」も「いつまで続くか考えざるを得ない」(評論家)。想像し難いが頭の体操は必要。むろん体操に終わるのを願う。(宮下日出男)

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