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原油禁輸猶予打ち切りでイラン経済に打撃 国民の「制裁慣れ」で強気姿勢

ペルシャ湾にあるイランの油田=2005年7月(ロイター)
ペルシャ湾にあるイランの油田=2005年7月(ロイター)

 【カイロ=佐藤貴生】トランプ米政権が日中など8カ国・地域に認めてきたイラン産原油の禁輸猶予措置を5月1日で撤廃すると表明したことで、イラン経済が大きな打撃を受けることは確実だ。米政府には、今月上旬、革命防衛隊を「テロ組織」に指定すると発表したのに続き、対イラン包囲網を強化する狙いがある。ただ、イランは“制裁慣れ”した国民を踏み台に、核・ミサイル開発や周辺国への影響力を死守する公算が大きい。

 イラン外務省は米の決定を受け、海外のパートナーと「適切に対処する」ため、禁輸猶予の打ち切りは無意味だとの立場を示した。経済関係維持に努める欧州などを想定した発言とみられる。一方、革命防衛隊は原油の海上輸送の要衝、ホルムズ海峡の封鎖も辞さない構えをみせた。

 ロイター通信によると、イランの原油輸出量は1年前、1日当たり250万バレル以上あったが、昨年の米の制裁再開などで100万バレル以下に落ち込んだ。原油輸出は国庫収入の約4割を占めるといわれ、経済のさらなる悪化は避けられない。

 ただ、イランの首都テヘランの20代の大学生はSNSを通じ、「すでに経済低迷は深刻で人々は感覚がまひしている。暮らしに影響はないだろう」と述べ、国民が“制裁慣れ”している現状をうかがわせた。

 禁輸猶予措置を受けてきたのは中国、インド、日本、韓国、台湾、トルコ、イタリア、ギリシャ。対米関係がぎくしゃくしている中国とトルコは米の決定に反発しており、両国にインドを加えた3カ国はイラン産原油への依存度が高いとされる。なかでも対応が注目されるのが中国だ。

 巨大経済圏構想「一帯一路」を進める中国は、イランを欧州とアジアの結節点ととらえ、関係を強化してきた。テヘランの識者によると、中国との貿易高は1990年代の年2億ドル(約224億円)から約350億ドルに急増し、いまや最大の貿易相手だ。

 昨年11月の米制裁再開の際には、イランのタンカーが海上での位置を示す発信器を切って姿を消し、中国に寄港するケースがあると報じられた。原油のヤミ取引に加担している疑いもあり、抜け穴をどう封じるかも焦点となりそうだ。

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