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タイ、事実上の軍政維持へ プラユット首相続投有力

総選挙を前に開催された「国民国家の力党」の大規模集会でプラユット首相のプラカード(中央)を掲げる支持者=22日、バンコク(共同)
総選挙を前に開催された「国民国家の力党」の大規模集会でプラユット首相のプラカード(中央)を掲げる支持者=22日、バンコク(共同)

 【バンコク=吉村英輝】タイで24日、クーデターから約5年ぶりに総選挙が実施された。形の上では民政へと移管されるが、軍事政権を率いてきたプラユット首相の続投が有力視される。軍政側は民政への復帰後も、国政への影響力を確保したい考えとみられる。

 軍政は、2001年の総選挙でタクシン党首率いるタイ愛国党が勝利して以降、タクシン派が、国内の既得権益を脅かすなどして、政治を混乱させてきたとみなしている。14年のクーデターを経て発足した軍政側は、タクシン派の復権を阻む何重もの仕組みを盛り込んだ新憲法草案を策定。新憲法は国民投票で承認されるなど、軍政は国民の一定の支持も得てきた。

 アピラット陸軍司令官は昨年10月の就任以来、「政治が混乱を引き起こさなければ、何も起きない」との発言を繰り返し、今後も政治的な混乱があれば、クーデターを行う姿勢を示唆してきた。タクシン派の「タイ貢献党」の首相候補を非難して同派も牽制(けんせい)した。

 タクシン派の「タイ国家維持党」(後に解党)が2月、ウボンラット王女を首相候補に擁立したことも、軍の警戒心をあおる。王室の権威という「錦の御旗」を奪われては、軍はタクシン派に手出しができなくなるからだ。

 王女の立候補をすぐさま批判し軍政側を救ったのが、ワチラロンコン国王だ。国王を元首とする議院内閣制のタイでは、国王が国内政治の調停役も担ってきた。16年10月の前国王死去後も国内を安定させ、5月の自身の戴冠(たいかん)式まで道筋を付けた軍政に一定の信頼を寄せているとみられる。

 次期政権が国内の安定と政治対立の解消を実現するには国王の権威だけに頼らず、経済改革を断行しその果実を地方や貧困層に配分する実行力が問われている。

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