PR

ニュース 国際

IS戦闘員の追跡困難、残る過激思想の影響

22日、米フロリダ州で、過激派組織「イスラム国」の支配地域が消滅したとするシリアの地図を示すトランプ大統領(AP)
22日、米フロリダ州で、過激派組織「イスラム国」の支配地域が消滅したとするシリアの地図を示すトランプ大統領(AP)
その他の写真を見る(1/2枚)

 【カイロ=佐藤貴生】シリアで「イスラム国」(IS)の支配地域が消滅したことで、「疑似国家」にようやく終止符が打たれた。しかし、カリフ(預言者ムハンマドの後継者)による統治を掲げるISの思想に共鳴する者は、元戦闘員に限らず、世界各地に存在する。ISはニュージーランドでモスク(イスラム教礼拝所)が襲われたテロでも報復を呼びかけており、今後も異教徒への攻撃を指示する公算が大きい。過激思想を持つ者を追跡する国際的情報網の拡充が急務となる。

 ISは2014年夏、指導者のバグダーディ容疑者をカリフとする政教一致の「国家」樹立を宣言。カリフ制は、最盛期には東欧から北アフリカまで拡大したオスマン帝国が解体された後の1924年に廃止されていた。

 イスラム過激派勢力は離合集散を繰り返しており、ISも元々は国際テロ組織アルカーイダから分裂した組織だ。個々の戦闘員も同様で、イラク西部ラマディでISと戦ってきた男性(46)は「戦闘員はISを含むテロ組織を次々と渡り歩いている。服装や戦法が変わるだけだ」と証言する。

 IS支配地域からはすでに多くの戦闘員が脱出し、出身国にひそかに戻ったり、エジプトやリビア、フィリピンなどのIS系組織に合流したりしているとされる。

 さらに深刻なのが、インターネットを通じた宣伝工作の影響だ。ISは、ネット上で発行されたカラフルな機関誌などで「シャリーア(イスラム法)に基づくカリフの統治」という概念を拡散させ、世界各地のイスラム教徒に「ISは理想郷」との印象を抱かせた。

 報道などを通じ、殺人や略奪、性的暴行、強制的結婚といったISの非道ぶりは広く伝えられているが、その思想はなおも多くの支持者を引きつけているとの見方が強い。ISの再活発化や「第2のIS」の出現を懸念する声が消えない理由はこの点にある。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ