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ロシア・イラン・トルコ、シリアのIS掃討終え勢力争いへ

 【カイロ=佐藤貴生】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の支配地域の完全奪還を表明したトランプ米政権はシリア駐留米軍の撤収に着手する見通しで、今後のシリア情勢は内戦に介入してきたロシア、イラン、トルコの動向がカギを握る。3カ国は独自に和平協議の場を設けるなどして共同歩調を取ってきたが、米の存在感低下を受けて勢力争いが本格化する可能性もある。

 ロシアとイランは内戦を通じ、アサド政権の存続を至上課題に掲げてきた。その目的はほぼ達成したが、地中海をにらむシリア西部の2カ所の軍事基地の使用継続を目指すロシアに対し、イランはシリアをイスラエルへの攻撃の前線と定めて軍事拠点を整備しているとされ、両者の思惑は異なる。

 ロシアはイスラエルとも対話のパイプがあり、同国とイランの軍事的緊張が高まれば、難しい対応を迫られる可能性がある。

 これに対し、トルコの軍事介入の目的は少数民族クルド人の勢力拡大を阻止することにある。クルド人はトルコが国境を接するシリア北部一帯に居住しており、トルコは独立を目指す自国内の非合法武装組織「クルド労働者党」(PKK)の分派とみなしてきたからだ。

 今回のIS掃討に貢献した民兵組織、シリア民主軍(SDF)もアラブ系とクルド人の混成部隊で、トルコはSDFと共闘態勢を組む米軍を一貫して批判してきた。対する米政府はトルコのクルド人攻撃に強い難色を示してきただけに、トルコの動きによっては米国との関係がさらに冷え込む可能性を秘めている。

 また、シリア北西部イドリブには国際テロ組織アルカーイダ系などの武装勢力が割拠しており、トルコなどが監視に当たっている。IS消滅後の内戦の焦点の一つとなりそうだ。

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