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全人代、中国の大盤振る舞いに戸惑い 津上俊哉・日本国際問題研究所客員研究員

津上俊哉・日本国際問題研究所客員研究員(提供写真)
津上俊哉・日本国際問題研究所客員研究員(提供写真)

 今年の全人代では、減速が言われる経済がこれ以上、下振れをしないよう中国政府が苦心していることが見て取れた。李克強首相の政府活動報告では経済成長を下支えするため、大型減税や新規投資の財源確保など財政政策の大盤振る舞いが表明された。それだけ中国経済が厳しい情勢に置かれているという表れだろう。

 今、中国経済は「泣きっ面に蜂」状態だ。リーマン・ショック後の借金、投資頼みで成長を図る路線が限界に来ていること、さらに生産性の低い国有企業が優遇され、民営企業が差別される構造問題も深刻化して成長が鈍化しているところに、米国との貿易戦争が重なったからだ。中国としては経済が悪い時に、外交・経済両面で最も重要な米国との対立が激化するのはつらい。進行中の米中貿易協議でも、中国側が円満解決に向けて大きな譲歩策を準備しているという観測もある。

 財政大盤振る舞いを表明した割に、国民や金融市場には景気好転を期待する声が上がらない。それだけ力を入れるのに2019年の国内総生産(GDP)成長率目標は過去最低レベル。また昨年までは政府が「債務圧縮が重要課題」と言っていたのに、今年は再び財政赤字を拡大させると聞いて、国民が政策の方向に戸惑いを覚えている面もある。仮に米中貿易戦争が妥結しても今回の景気減速は長引く可能性があり、政府や国民には中国経済が袋小路に入ってしまったような感覚があるように見える。(聞き手 三塚聖平)

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