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【環球異見】カシミールめぐりすれ違う印パ 中国紙「南アジア安定へ協力と自制」

「南アジア安定へ協力と自制」 環球時報(中国)

 インドとパキスタンの緊張が高まっていることについて、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は2月28日付の社説で、「南アジアの平和と安定こそ印パ両国にとって共通の財産である」と指摘し、双方に「協力と自制」を求めた。

 中国政府は現在、調停外交を展開中だ。王毅国務委員兼外相は2月下旬、訪中したインドのスワラジ外相と会談。孔鉉佑(こう・げんゆう)外務次官も3月上旬にパキスタンを訪問し、カーン首相、クレシ外相と会談。印パ双方に対話を通じた問題解決を促している。

 こうした中、環球時報の英語版、グローバル・タイムズ紙は3月5日付の紙面で、印パの緊張激化について特集、中国の専門家2人の見解を掲載した。

 まず、中国現代国際関係研究院の傅小強研究員は「総選挙を控えるインドが軟化する可能性は低く、係争状態がしばらく続く」との見方を示す。その上で、パキスタンは「(中国の巨大経済圏構想)一帯一路の要となる国だ」とし、中国の政策への悪影響は避けられないと主張した。中国とパキスタンは一帯一路の一環として、道路や発電所などのインフラを整備する「中パ経済回廊」の建設を進めている。印パ対立に伴う南アジアの不安定化は、一帯一路の行方にも暗い影を投げかけるものだ。

 次に、上海国際問題研究院の王徳華・南アジア中央アジア研究所所長が「インドとパキスタンはともに上海協力機構(SCO)の加盟国だ」とし、SCOを主導する中国にとって印パの対立激化は座視できないと主張した。SCOは中国、ロシア、中央アジア諸国、印、パキスタンの8カ国で構成される。習近平国家主席は昨年6月のSCO首脳会議で連携強化を呼びかけたばかりだ。中国には米国主導の国際秩序への対抗軸を形成する思惑もあるが、印パ対立が長期化すればSCOの弱体化につながりかねない。

 中国が推進する調停外交には、こうした危機感も背景にある。(北京 藤本欣也)

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