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【ポトマック通信】拷問者とも握手 「良き敗者」を懐かしむ

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ジョン・マケイン氏(AP)
ジョン・マケイン氏(AP)

 英語に「グッド・ルーザー(良き敗者)」という表現がある。敗北を潔く認め、遺恨を後に引きずらない態度を指す言葉だ。そして、2度目の米朝首脳会談が行われたハノイで、くしくも「良き敗者」に思いをはせる機会があった。

 ハノイ中心部の「ホアロー収容所」。フランス統治時代の19世紀末に独立運動家を収容する監獄として建てられ、ベトナム戦争では北ベトナム軍の米兵捕虜収容施設として使われた。

 米兵捕虜から「ハノイ・ヒルトン」と呼ばれた、収容された者たちの苦悶が壁に刻み込まれたような暗く陰鬱な建物の中を歩いていると、一枚の展示写真を見つけた。米海軍攻撃機の搭乗員としてベトナム上空で撃墜され、ここに放り込まれた後の上院議員、ジョン・マケイン氏の収容当時の様子を撮ったものだ。

 北ベトナムから過酷な拷問を受けたマケイン氏は議員時代、「戦勝国」であるベトナムとの関係正常化に尽力した。自らを拷問した人物とも再会し、握手を交わしたという。

 マケイン氏の態度は、敗北を認める勇気を持つことが前進する道であることを示すものだ。負けても「勝った」と言い張るトランプ大統領が幅を利かせる時代であるがゆえ、昨年8月のマケイン氏の死去が今さらながら惜しまれてならない。(黒瀬悦成)

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