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【石平のChina Watch】貿易協議、習主席の苦境

米中貿易交渉の閣僚級協議に臨む両国の交渉団=2月14日、北京(AP)
米中貿易交渉の閣僚級協議に臨む両国の交渉団=2月14日、北京(AP)

 先月24日に終わった米中閣僚級貿易協議は大きな進展があったものの、合意に達することはできなかった。

 トランプ米大統領は協議終了直後のツイッターで交渉期限の延長を表明する一方、中国の習近平国家主席を米国に招き、首脳会談を開いて最終合意を目指す考えを示した。

 つまり、トランプ大統領は首脳間の話し合いで最終の決着をつける考えだが、実はそれこそが、習主席にとって最大の難点である。両国が目指そうとする合意の内容は、中国にとっては屈辱的な譲歩であるからだ。

 双方の発表によると、協議の内容は中国が米国からの輸入を大幅に増やすこと以外に、知的財産権保護や技術移転、農業、サービス、通貨などを含む「構造問題」が中心となっているという。

 よく考えてみれば、それらの問題は全部中国側が抱える問題であるから、貿易協議は結局、米国側がそれらの問題に関する譲歩と改善を一方的に中国に迫り、中国側がひたすら米国側の要求を聞き入れて一方的に譲歩していく構図である。当然、協議が何らかの合意に達する場合、その意味するところは、中国が米国の圧力に屈して自分たち内部の「構造改革」を迫られることである。

 もちろんそれは中国にとって、屈辱的な「城下の盟(めい)」以外の何ものでもないし、捉えようによっては、国家の主権を損なう「売国行為」だと非難されるのである。

 実際、先日の閣僚級協議の内容が国内で部分的に報じられただけで、北京大学中文系(文学部)の孔慶東教授はツイッターで米中貿易協議の中国代表の劉鶴副首相を名指して「李鴻章以下」だと批判した。

 李鴻章というのは、清王朝晩期の重臣で約20年間、清国の外交をつかさどった人物だ。日清戦争で清国が日本に完敗したのち、李鴻章は下関で日本側との交渉に当たり「下関条約」に署名した。この条約によって遼東半島と台湾が日本に割譲されたため、当事者の李鴻章は「喪権辱国」(国権を喪失させ国を辱めること)の張本人にされて現在に至っても罵声を浴び続ける存在である。

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