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【ASEAN見聞録】我慢できなかった? 金正恩氏の喫煙シーン

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は2月26日朝、世界の注目を引き付けながら、約70時間の列車の旅を経て、米朝首脳再会談が行われたベトナムに入った。半世紀以上前に、列車や飛行機を乗り継いで訪越した祖父の故金日成(キム・イルソン)主席の足跡をたどるかのような“演出”も期待したとみられる。だが、車窓から見える中国の風景は目に入らず、トランプ米大統領との会談で立ちこめる暗雲を予感していたかもしれない。

 中国国境にほど近いベトナム北部ランソン省のドンダン駅。同日午前8時(日本時間同10時)すぎ、緑色に黄色のラインが入った金正恩氏の特別列車がホームに滑り込んできた。小雨模様の中、ベトナム側は、儀仗兵や朝越両国の小旗を持った市民を並べて歓迎の準備をしたが、金正恩氏はなかなか出てこなかった。

 メディアのカメラは、列車到着後の金正恩氏の一部始終を捉えていた。「黒電話」とも揶揄される独特な髪形の金正恩氏が、目頭を押さえながら疲れた表情を浮かべ、列車の陰に隠れるようにホームでおもむろにタバコを取り出し、自分でマッチを擦って、深く一服した。

 妹の金与正(キム・ヨジョン)氏が両手に持った灰皿で吸い殻を受け取った。金正恩氏は、灰色になったマッチ棒を自分で箱にしまった。「最高権威」の痕跡を残さないための“習慣”だという。

 チェーン・スモーカーで知られ、北朝鮮の公の場所でも灰皿とタバコが欠かせなかった金正恩氏だが、韓国メディアが、健康や行儀作法でその行為を問題視してからは、カメラの前での喫煙は減っていた。昨年6月のシンガポールでの史上初の米朝首脳会談では、世界中のメディアから追いかけられながらも、喫煙している映像は捉えられることがなく、金正恩氏ウォッチャーから「精神的な圧力によく耐え、人前でタバコに火を付けるのを我慢した」と、感嘆の声が上がったほどだった。

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