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同床異夢の米朝ベトナム会談、北は中韓にもメッセージ

昨年6月、シンガポールで開催された史上初の米朝首脳会談で、握手を交わすトランプ大統領(右)と金正恩朝鮮労働党委員長(AP)
昨年6月、シンガポールで開催された史上初の米朝首脳会談で、握手を交わすトランプ大統領(右)と金正恩朝鮮労働党委員長(AP)

 【ハノイ=桜井紀雄】トランプ米政権は、かつて戦火を交えながら関係を修復させ、経済発展したベトナムを北朝鮮の発展モデルになるとみている。北朝鮮も経済再建の青写真をベトナムに求めつつ、米朝首脳ハノイ会談には別のメッセージも込めているようだ。

 「最高指導者同志は今、祖国を輝かせるために1分1秒を割いて対外活動を展開している」。朝鮮労働党機関紙、労働新聞は26日、社説でこう主張し、金正恩(キム・ジョンウン)党委員長の今回の外遊に「全国が沸き返っている」と伝えた。米朝会談直前、経済再建を待ち望む国民の期待値を高めたのだ。

 自国だけにとどまらず、韓国も北朝鮮がベトナム式の経済改革に進むことに期待を寄せる。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は25日、「北朝鮮経済が開放されれば、国際資本が参加するが、韓国が主導権を失ってはならない」と発言。北朝鮮側はサムスン電子など韓国企業が多く進出するハノイ北方の工業地帯を事前点検する動きを見せており、韓国に経済協力を促す布石とみられている。

 列車で3日近くかけた訪越を選んだのも、南北の鉄道連結構想に熱を上げる文氏に連結事業の実行を催促したとも受け止められる。

 北朝鮮は、ベトナム戦争時に当時の北ベトナムに多数の空軍パイロットを送り込んだという「血で結ばれた」因縁がある。ベトナムは米国を敗退させた国であり、今回の会談で平和的交渉で米国に打ち勝つと、国民向けメッセージに込めることも可能だ。

 血で結ばれた関係は、朝鮮戦争を共に戦った中国だけではないと牽制(けんせい)することもできそうだ。

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