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【環球異見】米、アフガン撤退に意欲 米WSJ紙「平和への責任を放棄するな」

モスクワで6日、アフガン和平の国際会合に参加したカルザイ前大統領(前列右から2人目)ら
モスクワで6日、アフガン和平の国際会合に参加したカルザイ前大統領(前列右から2人目)ら

 トランプ米政権が、アフガニスタンに駐留する米軍の撤収・縮小に意欲を示している。しかし、アフガンの治安は好転しておらず、政府が統制する地域は全土の半分強にとどまる。米紙は「撤収ありき」に警鐘を鳴らし、アフガン紙も反政府勢力タリバンが巻き返すことを警戒する。ここにきて和平プロセスへの関与を強めているロシアでは、旧ソ連のアフガン侵攻(1979年)を肯定的にとらえる風潮が出ている。

 □ウォールストリート・ジャーナル(米国)

 ■平和への責任を放棄するな

 米紙ウォールストリート・ジャーナルは、トランプ大統領が今月5日の一般教書演説で、アフガニスタンやシリアからの米軍撤収の是非について「偉大な国は終わりのない戦争をしない」と述べたことを論じた。8日付の社説は、これが「文字通りの言葉としては真実だ」としつつも、「トランプ氏の言辞は、米国が平和維持のため同盟諸国と一緒に取り組んでいく責任を放棄する可能性があるという通念を助長する恐れがある」と警告した。

 社説は、過去の歴史的教訓の一つとして「軍部隊を外国に展開させておくことは、帰国させるよりも安く上がる」と指摘。東西冷戦下、米国が北大西洋条約機構(NATO)の下で西欧の防衛に揺るぎない関与を続けたことがソ連を抑止し、「冷戦が本格的な戦争になるのを防いだ」と強調した。

 オバマ前大統領は2011年、イラク情勢に関し「戦争の潮流は後退しつつある」と主張してイラクから米軍を撤収させたものの、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)の台頭を招き、14年に再び米軍部隊を投入する羽目に陥った。社説はこの事例を引き合いに、「米軍撤収は戦争を呼び込む可能性もある。オバマ氏が米軍を駐留させ続けていれば、コストははるかに安く済んだはずだ」と訴えた。

 社説はその上で、アフガンからの米軍撤収については「再び世界的な聖戦運動の安全な隠れ場所にならないかどうかに基づき判断すべきだ」とし、最初に撤収ありきの政策決定はオバマ前政権の二の舞いになりかねないと警鐘を鳴らした。

 トランプ氏の外交政策は全体として「その言辞に比べれば、はるかにまともだ」と一定の評価を示しながらも、「米国が後退すれば平和が手に入ると示唆し、支持者を幻惑させたり外国の友邦を怒らせたりしてはならない」と戒めた。(ワシントン 黒瀬悦成)

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