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ベトナムのドイモイは独裁体制の北朝鮮の手本にならず

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ハノイの「ベトナム朝鮮親善幼稚園」で北朝鮮の故金日成主席の名が付けられたクラスの子供たち。金氏とホー・チ・ミンの肖像が掲げられている(共同)
ハノイの「ベトナム朝鮮親善幼稚園」で北朝鮮の故金日成主席の名が付けられたクラスの子供たち。金氏とホー・チ・ミンの肖像が掲げられている(共同)

 【シンガポール=吉村英輝】米朝首脳再会談の開催地ベトナムは同じ一党支配の社会主義国として、北朝鮮と長く友好関係を結ぶ。独自の改革開放路線「ドイモイ(刷新)」政策を取り入れたベトナムは高い経済成長を実現。その成功例を、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は現地で視察するとみられる。ただ両国の似て非なる政治体制から、北朝鮮の参考にはなりにくいと見る向きもある。

 米政府高官は、米国と激しく戦ったベトナム戦争後、米国と関係を改善し、経済発展を続けるベトナムが北朝鮮の手本になり得るとたびたび言及してきた。

 相次ぐ戦争などで国内経済が疲弊したベトナムは1986年、市場経済システムで経済成長を目指す政策に転換。以来、国民1人当たりの国内総生産(GDP)は約5倍に増加した。

 日本貿易振興機構(JETRO)によると、ベトナムは近年、外国からの直接投資や、米国向け電子製品や縫製品など好調な輸出に支えられ、昨年の実質GDP成長率は7・1%と、2008年の世界的な経済危機リーマン・ショック後で最も高かった。

 ベトナム政治に詳しい豪研究機関のカール・セイヤー氏によると、北朝鮮は数年前から、ベトナムの「刷新」政策に関心を示してきた。数度にわたり使節団をベトナムに派遣したほか、留学生なども研究機関に送り込んでいるという。

 北朝鮮の最高指導者のベトナム訪問は、祖父の金日成(キム・イルソン)主席が1958年と64年に訪越して以来となる。金委員長は昨年6月の米朝首脳会談で訪れたシンガポールで観光施設などを視察しており、ハノイでも同様の行動をとる可能性がある。

 ベトナム共産党は一党支配を続けるが、一個人に権力が集中するのを防ぐため伝統的に集団指導体制を採用してきた。ベトナム中央銀行のカオ・シー・キエム元総裁はロイター通信に、改革・開放を推進する上で「権力の希薄化を受け入れねばならなかった」と指摘する。

 その上で、「たった1人が全権力を握れば、誤った判断をしがちだ」とも述べ、金委員長に権力が集中する北朝鮮の政治体制のままでは、ベトナム・モデルの導入は難しい、との見方を示した。

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