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トランプ氏、早期の非核化を見限り「行動対行動」に傾斜 サラミ戦術に絡め取られる可能性も

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19日、米ホワイトハウスで記者団らに話すトランプ大統領(ロイター)
19日、米ホワイトハウスで記者団らに話すトランプ大統領(ロイター)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領が2度目の米朝首脳会談を月末に控えた19日、北朝鮮の非核化を「急がない」と述べたのは、次回の会談で完全非核化の実現が見通せるような合意に至ることは困難と判断したためだ。

 トランプ氏は、政権としての最終目標はあくまで「北朝鮮の非核化」であると強調しつつ、北朝鮮に当初求めていた、非核化措置の入り口となる核・弾道ミサイル戦力や核施設の完全申告は、北朝鮮の反発で早期には無理との見方を強めたためとみられる。

 このため米政権は引き続き申告を求める立場を維持しつつ、第1段階の措置として北朝鮮が坑道を爆破した豊渓里(プンゲリ)の核実験場が不可逆的に廃棄されているかどうかの検証や、東倉里(トンチャンリ)のミサイル施設の廃棄、寧辺(ニョンビョン)の核施設の廃棄および国際査察などに関し、具体的な確約を得たい考えだ。

 米政府関係者などの間では、こうした措置に加え、「核兵器の原料となる核分裂物質の製造や弾道ミサイル改良の中止」などで北朝鮮が合意することを期待する声もある。

 ただ、一連の措置は北朝鮮に対して見返りを与えることが前提となる。具体的には北朝鮮に対する人道支援の拡大や、北朝鮮の開城(ケソン)工業団地の再開などを含む南北の経済協力事業の拡大をトランプ政権が容認することなどが想定される。

 トランプ政権は引き続き「完全非核化までは制裁圧力は緩めない」との立場は維持しており、北朝鮮が要求する段階的な制裁緩和にただちに向かう公算は小さいものの、米朝が互いに具体的措置を積み上げていく「行動対行動」の手法に傾斜しているのは確実だ。

 その場合、最小限の措置を小出しにして米国から最大限の譲歩を引き出す、北朝鮮得意の「サラミ戦術」に米政権が絡め取られる恐れは常につきまとう。

 トランプ氏としては、今回の首脳会談で非核化への第一歩となる具体的措置の履行を北朝鮮に確約させつつ、「完全かつ全面的に検証された非核化」に向けた行程表を早急に策定する必要に迫られている。

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